有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #経済を見る眼

ポケモンGOは投資を増やすか ハードが売れない時代

3分で読める 有料会員限定
【今週の眼】柳川範之 東京大学大学院教授
やながわ・のりゆき●1963年生まれ。慶応義塾大学通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。東京大学助教授などを経て2011年から現職。主著に『法と企業行動の経済分析』『独学という道もある』など。(撮影:今井康一)

『ポケモンGO』が話題だ。このアプリについては、興味深い考察点が多々あるが、本稿では、それを手掛かりに今後の投資需要という問題を考えてみたい。

かつては発売されたゲームソフトが大きな話題になれば、ゲーム機などのハードの需要が大きく増えた。その結果、工場の増設など設備投資需要も増える余地があった。

しかし、スマートフォンを使ったアプリの場合、かなりの人がすでにスマホを持っている。だから新たなハード需要、それに伴う設備需要はほとんど生じない。開発段階である程度の投資需要が発生したかもしれないが、今はアプリ開発もパソコン一つでできてしまう時代なので限定的だろう。回線利用の急増によって通信会社に基地局増設需要が出てくる程度である。

このような変化は、ゲームアプリに限って生じているものではない。ネット上で提供されるサービスの場合、皆が熱狂し大きく効用を増大させるサービスでも、ほとんど設備投資を必要としないのだ。

同様のことは、リアルな世界でも着実に起きている。その一つがシェアリングエコノミーと呼ばれているサービスだ。たとえば、自動車の相乗り仲介と位置づけられるUber(ウーバー)。このサービスが増えれば、車庫に眠っていた自動車が有効活用されるが、それによって新規の自動車購入需要はむしろ低下する。その結果、やはり設備投資需要は増えないことになる。

あるいは、リアル店舗で販売していた製品をネット販売するという単純な変化を見ても、店舗の建築・改装の必要がなくなるため、それに関する投資需要は減ってしまう。リアル店舗の改装には、多くの資材や人手を必要とするが、ネット上の店舗改装はパソコンの操作だけで終わってしまうからだ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数