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規制改革会議答申の論点 「非正規」呼称と同一労働同一賃金

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  • 太田 聰一 慶応義塾大学経済学部教授
[今週の眼]太田聰一 慶応義塾大学経済学部教授
おおた・そういち●1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

規制改革会議が5月19日、「規制改革に関する第4次答申」を提出した。雇用面で注目すべきは、正規・非正規の格差問題への対処だろう。ここで提示されている主な論点の一つは、正規・非正規という呼称をやめる方向性。もう一つは同一労働同一賃金の推進だ。

まず、正規・非正規という呼称だが、答申では多様な働き方改革を推進する立場から、この呼称よりも無期・有期、フルタイム・パートタイム、直接雇用・間接雇用(派遣労働)といった呼称を組み合わせて区分することが望ましい、としている。つまり、正規・非正規という呼び方は、どうしても「メイン・サブ」といったニュアンスを帯びてしまい、多様な働き方よりも二極化のイメージが強くなる。そこで、選択肢を組み合わせた呼び方に変えていきたい、ということだろう。

現実問題として、非正社員と呼ばれることを快く思わない人がいる。それには、「非」という言葉をつけた否定形の呼び名であることや、正社員は雇用が安定している高賃金の人々、非正社員は不安定雇用の低賃金の人々という社会一般のステレオタイプな見方が関与している。

筆者は、呼称の変更は正しいと考える。ただ、どのような呼称になっても実態が変わらねば意味がない。そうでなければ、すぐに新しい呼び名にもネガティブなニュアンスがついて同じことが繰り返されるだけだからだ。また、呼び名の変更のみで実態が変わるほど簡単に解決できる問題でもない。

もう一つの同一労働同一賃金の推進はどうだろうか。日本の場合、パートタイム労働者の時給はフルタイムの56%程度にすぎないが、同一労働同一賃金原則の強い欧州では軒並み7割を超えることを考えると、日本でもそうした方向に踏み切ることで、非正社員の賃金上昇と格差の縮小が見込めるようにも思われる。

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