超高層ビルが立ち並び、ビーチやオープンカフェで人々が談笑するリゾート都市・テルアビブ。ここはイスラエルの経済や文化の中心であるとともに、ベンチャー企業の集積地にもなっている。目につくのは「エンジョイ・プロブレム」という落書き。課題解決を楽しもうというイノベーション精神が街中に表れている。
四国ほどの面積に約830万人の人々が暮らすイスラエルは、知る人ぞ知る起業家の宝庫。インターネットが普及し始めた1990年代半ばからハイテク産業が発展し、米国のシリコンバレーに次ぐベンチャー数を誇る。人呼んで「シリコンワディ」(ワディは水のない谷川)。1年に誕生するベンチャー企業の数は1000にも上る。インテル、グーグル、アップル、マイクロソフトといった世界の名だたる企業数百社が、イスラエルに研究開発拠点を設けている。
ベンチャー投資ファンドを運営するサムライインキュベートの榊原健太郎CEOは2014年にテルアビブにシェアオフィスを開設し、イスラエル企業約20社に投資してきた。「フェイスブックやグーグルなど、成功したIT企業の創業者はユダヤ人が多い。最速で世界を席巻するような企業を作るには、イスラエルを押さえるべきだと考えた」。
榊原氏が言うには、「イスラエルでは日本の20年くらい先のことを研究している」。たとえば無料通話アプリ「LINE」がサービスを開始したのは11年だが、イスラエル企業は96年に「ICQ」という世界初のインスタントメッセンジャーを開発していた。
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