「佐治をヘッドに、新浪と鳥井の新たな二人三脚体制に移行する」。サントリーホールディングス(HD)の社内では、そんな認識が固まりつつある。
12月10日、同社は、役員人事の大幅な刷新を発表した。目玉は、飲料子会社・サントリー食品インターナショナル(SBF)の社長を5年にわたって務めてきた鳥井信宏氏(49)が、2016年3月下旬付でHDの副社長に就くというものだ。
3人の副社長のうち、唯一代表権を持つことになる、信宏氏(図1)。創業者・鳥井信治郎氏のひ孫で、HD会長・佐治信忠氏の従(じゅう)甥(せい)(いとこの息子)に当たる。以前からHDの次期社長候補と目されてきたが、今回の人事によって、名実共に「ポスト新浪」の筆頭候補に躍り出た。
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佐治会長は、14年にローソン前社長の新浪剛史氏がHD社長に就任した際、自身と新浪社長との二人三脚による経営を強調していた。これが16年春からは、新浪社長と信宏副社長による、“新たな二人三脚”に移行するわけだ。
1年半前に買収した、米蒸留酒大手・ビーム社との統合を中心に、HD全体の経営を新浪社長が担う。信宏氏は飲料やビールなど国内事業を統括し、中長期戦略などの面で社長を支える。その脇を固める形で、内藤俊一氏が人事部門を、相場康則氏がR&D(研究開発)や生産部門を、副社長として管掌する。
ただ、このタイミングで信宏氏がHD副社長に就任することに対して、疑問の声もある。SBFの社長在任中、信宏氏が経営者として、目立った成果を上げてきたとは言いがたいからだ。競合メーカーも「佐治さんや新浪さんと違い、信宏さんについては、これといった情報が入ってこない」と、経営手腕を判断しかねている様子である。
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