「パソコン3社事業統合 東芝・富士通・VAIO交渉へ」。12月4日、全国紙の1面に躍った見出しに、疑問の声が噴出している。
VAIO幹部は「何の話も来ていない」と全否定。富士通幹部は「(交渉をしているとすら言えない)この段階で、『さまざまな可能性を検討している』としかリリースしようがなかった」と明かす。
東芝は年内をメドに「パソコンなど赤字事業の対策を公表する」(室町正志社長)と発表済み。そこで「焦って記者に書かせたのではないか」とVAIOと富士通は見る。
が、当の東芝幹部も、困惑の色を隠さない。「いろいろな可能性が残る中、先走って書かれた。相手があることだし、年内に決めるのは無理だ」。
効果の薄い弱者同士?
VAIOは2014年にソニーのパソコン部門が分離・独立。日本産業パートナーズの運営するファンドが株式の9割超を保有している。
従来のブランド「VAIO」を用い、ヘビーユーザー向けに絞って再建中だ。6月にソニー出身の関取高行氏から、ファンドが選任した大田義実氏に社長交代。ファンドは3年後の出口戦略を探る。
一方、富士通のパソコン部門は、来春分社化する方針が10月に発表されたばかり。前期こそ黒字を確保したが、ドル建ての部材調達が多く、今期はドル高の影響で赤字に転落する。5年後に営業利益率10%を目指す富士通は、低採算部門を分社化し連結から外す予定だ。ただ、それ以前に他社との合弁を画策するほど、急いではいない。
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