1月のスイスフランショックに始まり、4~7月はギリシャ危機、8月以降は中国株式市場の暴落など今年1年を振り返るとさまざまなことがあった。
しかし対ドル円相場は極めて狭い値幅に終始している。1ドル=115円86銭から125円86銭と、10円しか動いていない。値幅の絶対値で見ると、変動相場制に移行した1973年以降で最小だ。
FRB(米国連邦準備制度理事会)の年内利上げの有無に関しては議論が尽くされ、織り込み済みのように感じられる。残り1カ月弱でこの10円レンジをブレークするには、迫力不足だろう。
通年で見た場合のレンジこそ極小に収まっているが、ドル相場、円相場をそれぞれ実質実効為替レート(REER)で見ると、ドル高、円安ともに過剰な水準に至っている印象を受ける。
ドル相場はREERでは2014年6月以降の1年半で15%も上昇した。かつて、ルービン米財務長官時代、「強いドルは国益」との掛け声の下でドル高政策が取られ、1995年から01年の6年間で20%以上も上昇した。今次ドル高局面は当時と比較すれば期間こそまだ短いが、「上昇の角度」は当時よりも鋭角的だ(図1)。
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だが、通貨高志向を明言し、IT革命の下で生産性改善の恩恵にも浴していた当時と比べれば、今の米経済は決してドル高を甘受できる状況にはない。直近の米為替政策報告書などを見ても、「ドル高は国益」と言ってのけるほどの余裕は感じられない。
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