東芝の粉飾決算が波紋を呼んでいる。現経営陣に対する監督体制を強化すると同時に、旧経営陣と監査法人にペナルティを科して幕引きとなりそうな情勢だが、事後処理をめぐる日本の動きは恥の上塗りに思えて仕方ない。何のための事後処理かわからないからである。
思い起こしてみれば、東芝の前にもカネボウやオリンパスの粉飾決算で大騒ぎになったことがある。それぞれ社長の逮捕に発展したが、東芝の一件を見れば、処罰が何の抑止効果も持たなかったことは火を見るより明らかである。カネボウに先んじて米国ではエンロンとワールドコムの粉飾が露呈したが、その後は類似案件の再来を見ていない。
日本の問題は「トカゲの尻尾切り」にある。カネボウの粉飾は1977年に端を発したとされており、その当時の社長が92年まで会長の座にあった。ところが、この人物を訴追することなく、98年に社長に就任した別人を逮捕して、2006年に有罪判決が確定した。そこで幕引きである。
オリンパスの粉飾は、財テクに手を染めた89年あたりに端を発し、その当時の社長が会長在任中に含み損を隠す工作が始まったようである。ところが、この人物は訴追を免れ、01年に社長に就任した別人が逮捕された。こちらも13年に有罪判決が確定して幕は下りたことになっている。
カネボウとオリンパスに共通しているのは「貧すれば鈍する」の図式であろう。カネボウは73年度、オリンパスは80年度にそれぞれ最高益を記録して、そこから下降路線に入っていた。「貧する」状態に陥って、心が鈍り、苦肉の策に走っていったのである。
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