また来年の為替相場見通しを作成する時期がやってきた。昨年末には、2015年のドル円相場について、128円程度まで円安が進行すると予想した。その一方で、128円をもって円安トレンドは終了するであろうとも見ていた。
ドル円相場は8月に125円86銭まで円安が進行したものの、128円には届いていない。だが、円安トレンドはいったん終了し、16年は円高トレンド入りすると見る。
それは円相場を取り巻く環境が、ここ数年とは大きく異なっているからだ。
円相場を取り巻く環境で、最も大きく変化しているのは経常収支だ(図1)。15年の経常黒字額は1月から9月までに13.1兆円に膨らんでいる。昨年の年間経常黒字額が2.6兆円であったことを考えると、今年は黒字幅が急拡大していることがわかる。
拡大する
13年から14年にかけて、急激に円安が進んだ。その主因は経常黒字が急減し、貿易赤字が急拡大したことにあったと見ている。アベノミクスや、日銀による量的・質的金融緩和が心理的な影響を与えたのも事実だろう。だが、円相場を取り巻くファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)も、円を押し下げる方向に大きく変化していたのだ。
そして、この円相場を取り巻く重要なファンダメンタルズが、今年は大きく改善しているのである。J.P.モルガンは今年1年間の経常黒字は16.7兆円となり、16年は18.5兆程度までさらに拡大すると予想している。
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