10月米雇用統計を受けたFRB(米国連邦準備制度理事会)の年内利上げ観測の高まりを背景に、ドルが全面高の展開となっている。一方でECB(欧州中央銀行)は12月に追加緩和を行う予定だ。こうした米欧の金融政策見通しの乖離から、ユーロ安が再び加速していく公算が大きい。
10月のECB理事会では、ドラギ総裁が次回の12月3日の理事会での追加緩和を強く示唆した。総裁は「最新のスタッフ経済予測が公表される12月理事会で、金融政策緩和の度合いを再検査する必要がある」と述べ、関連委員会に、用いられうる金融政策措置に関する準備を行い、それぞれ長短を検討するよう要請した。
また「資産買い取りプログラムは規模や構成、期間を調整する余地がある」(ドラギ総裁)と繰り返したほか、マイナス金利も議論された措置の一つだったことを明らかにした。
こうした中、ECBは12月理事会でどのような追加緩和措置を取るだろうか。
追加緩和の選択肢としては、第一に資産買い取りプログラムの調整が考えられる。具体的には、資産買い取りプログラムについての(1)期間の延長、(2)買い取り額の増額、(3)買い取り対象資産の拡大、(4)テクニカルな調整だ。
可能性が最も高いのは(1)資産買い取りプログラムの期間延長だろう。現在は少なくとも2016年9月まで買い取りを継続するとしている明示期間を、17年半ば以降まで延長することが考えられる。あるいは、2%のインフレ達成まで買い取り継続といった条件を設定し、時間軸を強化する可能性もある。こうした措置は低金利の長期化を担保する形で、ユーロ安圧力を強めそうだ。
(2)資産買い取り額の増額については、現在の月額600億ユーロを100億ユーロ程度増やす可能性がある。ただ、国債以外の資産は市場規模が比較的小さく、拡大余地は限定的だ。同様に、(3)買い取り対象資産(現在は欧州国債、政府機関債、欧州機関債)も拡大余地は小さい。
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