有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #為替ショックが来る

中国外貨準備はなぜ急減したか 実態はポートフォリオの組み替え

3分で読める 有料会員限定

次から次へと悪材料が浮上する中国経済に、新手の悲観論が飛び出した。中国の外貨準備が急減していることから、「キャピタルフライトが起きている」という観測が株式市場で流れたのだ。

[図1]
拡大する

中国の外貨準備高は2位の日本を大きく引き離す圧倒的な世界首位だ(図1)。だが、8月の外貨準備高は3.55兆ドルと、前月より1000億ドル超も減った。ピークだった14年6月の3.99兆ドルから、1年余りで1割以上も落ち込んだ。

もっとも、9月30日に発表された6月末時点の中国の対外資産負債残高表を見ると対外資産全体は増えている。外貨準備の減少以上に対外直接投資などが増えているためだ。

そもそも外貨準備は多すぎた

考えるべきは、中国にとって外貨準備が減ることがそんなに問題なのかだ。外貨準備の安全ラインは輸入の3カ月分程度といわれ、中国の2014年の輸入額1.96兆ドルを前提に考えれば、5000億ドルがその水準に当たる。

それがここまで積み上がったのは元高抑止のためのドル買い介入の結果だ。また、中国は過去に外貨集中制を採っており、貿易などで外貨を得た企業などは銀行にそれを売る義務があった。07年には撤廃されたが、その後も元高期待が強かったために、企業は手に入れた外貨をすぐ人民元に交換する傾向が強かった。

現在は米国の利上げ観測などによる元安期待から、ようやく民間の動きにも変化が出ている。信金中央金庫海外業務支援部の露口洋介・上席審議役は「総資産が減っていないのに外貨準備が減っている主な理由は、民間部門に外貨が移転したことだと考えられる」と言う。とすれば、中国の対外資産全体から見ると、ポートフォリオの組み替えという話だ。

中国当局にとってこれは想定の範囲内であり、むしろ望ましい動きだと考えられる。中国では、対外資産の収益率の低さが問題となってきたからだ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数

注目の特集・連載

オールドメディアの岐路 特集 記事