中国では、製造業と投資への過剰な依存からの転換が進んでいる。人民元がかつてのように過小評価されていないのも、こうした構造転換を後押ししている。
電力消費量では中国経済はわからない
電力消費量の伸びが落ちていることを中国経済低迷の証拠だという人は、そうした変化を理解していない。まるでバックミラーを見ながら車を運転しているようなものだ。
同じ単位当たりGDP(国内総生産)を創出するのに、製造業はサービス業の6倍の電力を必要とする。だから2000年代には、GDPが10%成長すると、電力需要は12%増加した。しかし、現在では中国の成長のほとんどはサービス部門がもたらしている。
8月11日の人民元切り下げが輸出をテコ入れするための試みだとする見解は、完全に間違っている。中国政府が輸出の低迷に元安誘導で対処しようとするのであれば、中国の輸出伸び率が大きく鈍化した14年に大幅な通貨の切り下げを行うべきだった。為替で輸出を後押しするのなら、今回のような切り下げでは少なすぎる。
8月11日の決定は、中国が狙っていた人民元のSDR(特別引き出し権)採用の可否についてIMF(国際通貨基金)が報告書を発表したちょうど1週間後のタイミングだった。そして、IMFの基準の一つは、人民元のレートを市場が決定しているか否かだ。
8月中旬までの7カ月間、中国政府は毎日市場に介入して、人民元が政府の設定した変動幅を下回る元安にならないようにしてきた。つまり、中国政府は市場に取引を行わせてこなかった、ということだ。
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