世界の金融市場で存在感を増している高頻度取引(HFT)。自動売買プログラムに基づき、1000分の1秒単位の超高速発注を繰り返すことで利ザヤを稼ぐこの取引の登場で、伝統的な株式ディーラーが駆逐されてしまった。
HFTが現れたことで、どの株価水準にどのくらいの注文が入っているかを表示する売り板、買い板を見て、その裏に隠れている投資家心理を読みながらトレードをするという「目視」前提の従来の手法は通用しなくなった。売り注文の状況から判断して買い注文を出そうとしたときには、すでにHFTの買いで、すべての売り株がさらわれてしまっているからだ。
感情のない機械は味方につけやすい
こうした自動売買優勢の株式市場でも生き残っている個人デイトレーダーはいる。資産額を10年間で6億円に増やしたテスタさん(ハンドルネーム、35)もその一人。勝ち続けることができたのは、HFTの特性を見抜いたからだ。
「HFTは機械なので、そのクセを見極めれば勝つ手立てはある」という。たとえばこんな手法だ。注目している銘柄に50万株の大口売りが出たときに、テスタさんは5万株、10万株の買い注文を入れてみる。この銘柄に対して「大口の売りに大口の買いが入れば、残りの売り玉を買え」という自動売買プログラムが入っているかどうかを確かめるためだ。
売り注文が瞬時に消えればしめたもの。こうした買い需要の強い銘柄は株価が上がりやすく、自分の売りをHFTに引き取らせることもできる。言ってみれば、HFTを敵視するのではなく、利用して味方につければよいのだ。
一方、板を見て値上がりしないとおかしいと思える状況でも上がらない場合は要注意。上がるはずとの思い込みで安易に買い続けると、どこからともなくやってくる売りで「大損することもある」そうだ。もっとも、「決められたプログラムどおりに動くHFTは、人間と違い感情に左右されないので、売買のクセを見抜きやすい」とのことだ。
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