4月のマスターズが始まると、いよいよゴルフシーズン開幕だという気持ちになる。マスターズは、世界中をワクワクさせる魅力を持っている。
特に今年のマスターズでは、21歳の若者ジョーダン・スピースが64.66と、前半の2日間で14アンダーという驚異的なスコアで首位をリード。見ていて小気味良くさわやかで、久しぶりにグイグイと吸い込まれるようなゴルフが、試合全体の流れを牽引していった。
過去の例から言えば、初日に64を出して優勝した選手はいない。いや、上位進出した選手もいない。むしろ2日目には崩れて、そのままズルズルと順位を落としていた。実は僕も、スピースは崩れるだろうと予想していた一人だった。でもそれは大きな間違いだった。いや僕には予想もつかないほどに彼は成長していたともいえる。
なぜスピースが崩れると思ったかというと、昨年最終日の土壇場で自滅し、優勝できなかった彼の姿がどうしてもダブっていたからだ。最終日にスコアを伸ばせず、バッバ・ワトソンに3打差逆転負けして2位タイに甘んじた。まさしく自滅だった。マスターズ、しかも20歳で初出場という彼のキャリアを見れば大健闘だった。でも、スピースは屈辱的敗退という意識が強かった。
彼は、この1年間信じられない努力をしたという。それは技量ばかりでなくメンタル面やフィジカル面も含めてだ。スピースが目指したものは、端的に言えば、うまいゴルファーではなく強いゴルファーだと思う。
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