若者の右傾化を背景に安倍晋三首相が憲法改正のために選挙権を18歳から与えようとしているという見方があるが、ちょっと考えれば憲法改正に効きそうにないことがわかる。
総務省の人口推計(2013年10月1日現在)では、18歳以上の人口に占める18~19歳の割合は2%強。これに対し、仮に、戦争を体験した70歳以上に護憲派が多いとすると、その割合は20%超と10倍近い。有権者を18歳以上へと広げても、タカ派的な憲法改正を支持する国民が過半になるとは思えない。
また、18~19歳の右傾化した若者がそろって憲法改正に賛成するかどうかも怪しい。たとえば、憲法第9条を見直し、万一、徴兵制が導入されたとき、国防軍に編入されるのは彼らである。思想的にタカ派でも、兵士になりたくない若者は、改憲に「ノー」と言うだろう。
老人の機嫌取る政治家
ただ、首相の思惑は別にしても、18~19歳への選挙権付与は結構なことだ。なぜなら、世代別の投票行動も含め現状の仕組みでは、高齢者の既得権が守られやすいからだ。
少し前に、年金支給額を抑制するマクロ経済スライドを物価の下落時にも発動できるようにしようという機運が盛り上がった。しかし、マクロ経済スライドでカットする予定の部分を翌年度以降、物価上昇局面まで繰り越す折衷案に修正された。役所が与党に配慮したからだ。
また、70~74歳の医療費自己負担を1割から2割に引き上げる見直しも、2008年4月の開始予定だったのが、特例扱いで延期され続けて、実施されたのは14年4月である。しかも、14年4月時点ですでに70歳以上の人は1割負担のままで、4月以降に70歳になった人から2割負担という不徹底ぶりだ。
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