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多国籍企業の強欲は止まらない 本社海外移転で租税回避がブーム

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「税制悪用をやめさせるために、議会は一刻も早く法制化すべきだ」。今年7月、下院歳入委員会のデイブ・キャンプ委員長(共和党)に手紙でそう訴えたジェイコブ・ルー米財務長官。だがもはや矢も盾もたまらず、米財務省は9月に入り緊急の行政措置で対抗した。阻止すべきは「インバージョン(租税回避目的の本社海外移転)」である。

日本では今夏、米外食企業バーガーキングの企業買収によるカナダへの本社移転計画が大きく報道されたが、同社はどちらかといえば「小物」。インバージョンの事例として注目を浴びた企業(断念や実行済み含む)には、リバティ・グローバル(メディア)やオムニコム(広告)などの巨大企業が目白押しだ。

とりわけ目立つのが、製造業が衰退した米国にあって「残された宝」といえる知識集約型の製薬・医療機器産業だ。世界最大手のファイザーを筆頭にメドトロニック、アクタビス、アッヴィなどが軽課税国アイルランドへの本社移転を画策する。

本社移転が実行されると、米国で課税対象となる海外所得が管轄外となるほか、新海外親会社への負債計上により米国企業には利子払いなどの損金が創出されて米国源泉の課税所得も侵食される懸念が強い。

すでに海外所得については、米多国籍企業は軽課税国への知的財産権の移転などによって米国課税を回避している。これで貯めたオフショア資金はアップルの1113億ドル(約11.7兆円)を首位に大手1000社で2.1兆ドル(約220兆円!)と推定されている。海外移転が普及すると米国源泉所得すら逃げかねず、その税収ロスはファイザー1社で年間14億ドルとの報道もある。

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