「人口減少止まらぬ日本」に残された2つの選択肢 毎年「鳥取県1つ分」に当たる人口減少が続く

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生産・消費といった経済活動は、コロナが収束すればいずれ元の水準に戻ります。しかし、人口はいったん合計特殊出生率が低下すると、子どもを産む女性の数が減ってしまうので、少子化が加速し、総人口が自然に元の水準に戻ることはありません。「コロナのせい」「コロナだから仕方ない」と考えるのは、あまりにも楽観的・近視眼的です。

韓国は22世紀を迎えられるのか?

定説では、人口減少で国家を維持できなくなり地球上から最初に消滅するのは韓国だと言われています。

冒頭に紹介したオックスフォード人口問題研究所だけでなく、国連人口部やサムスン経済研究所など韓国内外の専門機関が同様の分析を公表しています。これらの推計は消滅時期を「22世紀」としていますが、近年の合計特殊出生率の急低下を織り込んでいません。そのため最近「韓国は22世紀を迎えられるのか?」という超悲観論まで出始めています。

この異常事態に対して日本では、「韓国の経済政策・人口政策は完全な失敗だった」「文政権は反日とかやってる場合じゃないだろ」といった突き放した論調をよく見かけます。しかし、その論調を真っ向から否定する可能性もあります。

なぜなら、韓国には南北統一という切り札があるからです。北朝鮮の疲弊しきった経済、金正恩氏の不健康そうな姿を見ると、これから30年以上、北朝鮮が正常に存続できるかどうかは怪しいもの。早ければ数年後、遅くとも2050年までには韓国が北朝鮮を併合する未来もありえます。

南北統一が実現すれば、単純計算で2500万人近くの人口が増加。南北統一は政治的・経済的には大きな苦難を伴いますが、こと人口問題については韓国にとって強力なアドバンテージになるわけです。

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