朝日新聞が赤字で「社員の購読を自腹化」の衝撃 部数減で苦肉の策、社員から不安や憤りの声も

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朝日新聞社は2020年4~9月期決算で、売上高1390億円(前年同期比23%減)、営業利益92億円の赤字(前年同期は6.5億円の黒字)に沈んだ。中間期での営業赤字転落は2009年度以来だ。

主力のメディア・コンテンツ事業では、ネットの普及などに伴い新聞の需要が減退。部数の落ち込みはとどまることを知らず、朝日新聞朝刊部数が1日平均504.8万部(前年同期比8%減)まで減少。新聞などの広告収入やイベント収入が縮小したことも痛手となり、前年同期に30億円だったセグメント損失は116億円に拡大した。

本業の赤字を補ってきた不動産事業も、ホテルで新型コロナ影響による急激な減収が発生。セグメント利益は12億円と前年同期から半減した。

419億円の巨額赤字で社長が退く

さらに、将来の利益計画の前提を、新型コロナ影響が2022年3月期も継続する仮定に見直した結果、繰延税金資産の取り崩しが約300億円発生。純利益ベースでは419億円の大赤字に陥った。

同社の社内報では経営状況について、「創業以来の深刻な状況」と書かれている。渡辺雅隆社長は業績不振を引責する形で退き、2021年4月より後任に中村史郎副社長が就任する見込みだ。

2020年11月30日付の中村新体制における基本方針には、「緊急収支改善対策の推進」や「不採算事業の撤退・縮小」といった言葉が並ぶ。社員に対する新聞購読料の補助廃止は、この一環とみられる。

朝日新聞社によれば、今後は社員の給与から新聞購読料を天引きする方向で労働組合と調整している。自腹での購読継続に強制性はないが、購読を停止する社員はその旨を、会社側に伝える必要がある。

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