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ヤマハ「ウインナホルン」工場に行ってみた 世界最高峰ウィーン・フィルに欠かせない楽器

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これがウインナホルンの製造現場だ

  • 完成品 完成品
    (撮影:大澤誠)
  • 管がまっすぐな状態 管がまっすぐな状態
    (撮影:大澤誠)
  • 機械を使って曲げる 機械を使って曲げる
    (撮影:大澤誠)
  • 金づちで表面を平らに 金づちで表面を平らに
    (撮影:大澤誠)
  • 木型でゆがみをチェック 木型でゆがみをチェック
    (撮影:大澤誠)
  • 豊岡工場ではサックスなども製造 豊岡工場ではサックスなども製造
    (撮影:大澤誠)
  • ヤマハ独自の自動洗浄ライン ヤマハ独自の自動洗浄ライン
    (撮影:大澤誠)
  • 大きな楽器は人の手で洗浄 大きな楽器は人の手で洗浄
    (撮影:大澤誠)
  • 明るい部屋で最終組み立て 明るい部屋で最終組み立て
    (撮影:大澤誠)
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  • 完成品
  • 管がまっすぐな状態
  • 機械を使って曲げる
  • 金づちで表面を平らに
  • 木型でゆがみをチェック
  • 豊岡工場ではサックスなども製造
  • ヤマハ独自の自動洗浄ライン
  • 大きな楽器は人の手で洗浄
  • 明るい部屋で最終組み立て

静岡県磐田市にあるヤマハの豊岡工場。ここは、管楽器の一大生産拠点だ。トランペット、クラリネット、サックス、チューバなど多くの品目を製造している。

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手作業で製造されるウィンナホルン

その巨大工場の一角、学校の教室ほどのスペースに、年季の入った装置や金型が並ぶ。職人がこれらを操り、1枚の鉄板から丸みを帯びた独特の形にしていく。

ここで作っているのは、世界最高峰のオーケストラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で使用されている特注のウインナホルンだ。記者は、その現場を取材する機会を得た。

ウインナホルンと一般的なホルンの違いは、いわば、「馬車と自動車の違いのようなもの」(ヤマハ広報)。ウィーン・フィルでは、楽曲が作られた当時の音を正確に再現するために、ホルンだけでなく多くの楽器で既製品とは違う旧式のものを使用している。楽器の構造が違うため、音のニュアンスも変わる。

素人でもわかる音の違い

音を聞き比べると、まったくの素人である記者にもその違いがわかった。一般的なホルンが少しこもった、ふんわりした音なのに対し、ウインナホルンはパリッと張りのある音。特に長く伸ばして吹かれる音には、違いが顕著に出る。

ヤマハがウィーン・フィルの楽器を手掛けるようになったのは1970年代から。ウィーン・フィルの楽器は特注品だが、これらを製作していたヨーロッパの工房が、後継者不足や資金難で次々と廃業。伝統の音を守るため、一部の楽団奏者がヤマハに製作を依頼してきた。

「ヨーロッパ以外の国の職人に、われわれの音を任せられるのか」。別の楽団員から反発の声も上がったという。もちろんヤマハにとっても、これまで手掛けたことのない楽器ばかり。最初に打診を受けたのはウィーン式トランペット。製作に2年を要したが、この出来が楽団に高い評価を受け、ウインナホルンの受注にもつながった。

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【課題は後継者の育成】

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