SARSの教訓活かす「香港」の新型肺炎の徹底対策 幼稚園や学校は3月中旬まで「休校」の措置

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検温器を手に迫ってくるオフィスビルのスタッフ(筆者撮影)

通常のオフィスビルに入ろうとすると、ガードマンが「待て」と手で制し、「額を出せ」と検温器片手に迫ってくる。これは春節以降、香港で見られる当たり前の光景だ。

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新型コロナウイルス「COVID-19」の感染者数は、香港で65人、日本は85人(クルーズ船を除く)の感染者を出している(2月20日17時時点)。

中国本土と陸続きの香港で、爆発的に感染者が増えないのはなぜだろうか。香港では、香港政府のみならず民間企業、個人共に徹底して感染防止に取り組んでいる。香港の感染防止策の実態を紹介する。

オフィスビルでも入り口で「検温」

まず民間企業については、2月20日時点で在宅勤務を推奨している会社が多い。公務員に至っては、複数回の延長を経て原則全員が3月1日まで在宅勤務だ。幼稚園および小・中学校は、3月16日まで全学休校。学習塾やサッカーなど、複数の子どもが集まる習い事もほとんどが休講になっている。

人が見当たらない五つ星ホテルのロビー(筆者撮影)

香港大学や、香港中文大学もオンライン講義を学生たちに提供している。大学には少し遅れたが、筆者の子どもが通う幼稚園も、やっと今週からオンライン講座らしきものが始まった。

通勤者が減り、学生、子どもが外出しないとあって、街中はそもそも人が少ない。商業施設や映画館の中には、自主的に店を閉めているところもある。香港ディズニーランド・リゾートも無期限で閉園している。

そもそも、地下鉄やバスといった交通機関や、図書館、ショッピングモールなどはマスクがないと乗車拒否・入場拒否にあうことも多い。

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