ついに成田進出!ピーチが握るLCCの命運 エアアジア、ジェットスターは大苦戦
「LCC元年」と言われた2012年には、ピーチをはじめ、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンの3社が事業をスタートした。だが、開業初年度の内実は明暗がクッキリと分かれた。
着実な歩みが続くピーチに対して、成田を拠点とする2社は苦境が続いている。ジェットスターの初年度(2013年6月期)は88億円の最終赤字、エアアジアは2013年3月期が36億円の最終赤字となった。
こうした状況がさらなる焦りを生んだのか、ジェットスターとエアアジアの2社は国土交通省が求めていた定期検査の一部を実施していなかったとして、10月9日に同省から厳重注意を受けた(関連記事:「LCCで初歩的ミスが相次ぐワケ」)。
エアアジアに至っては、出資するANAホールディングスとエアアジア本社が経営方針をめぐって対立したことなどから、今年6月に合弁を解消。11月からバニラエアに生まれ変わる。奇しくも、ピーチが成田に就航した前日にあたる10月26日はエアアジアのラストフライトの日でもあった。
拠点空港で生じる格差
「拠点空港のキャパシティがLCC3社の明暗を分けた大きな要因」と指摘するのは、早稲田大学商学学術院の戸崎肇教授だ。ピーチが拠点とする関空は24時間運営で、運航時間が多少後ろ倒しになっても欠航に至ることはまれだ。実際、ピーチの今年4~9月の就航率は99.8%となっている。
対して、成田空港は原則として6時から23時までしか発着ができない(一部は条件付きで24時まで緩和)。そのため、1つの便が遅れてしまうと、玉突き的に欠航になる便が出やすくなる。特に、ジェットスターは就航初日の昨年7月3日から欠航を出してしまったため、「LCCは遅れるものだというイメージが利用者に刷り込まれてしまった」(鳥海氏)。
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