Vol.1プログラミングは「親子で」がおススメのワケ | 子どもの20年後のために親ができること

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Vol.1
プログラミングは「親子で」がおススメのワケ

無駄を省き、頭を整理するきっかけに

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「プログラミング的思考」とは何か?

「コンピューターって教えていないことは絶対にやらないですよね。だから、コンピューターがどう動くか、事前にいろいろな可能性を想定しておかなければならない。想定に抜けや漏れがあると止まってしまうわけです。プログラミングを通して、いろんな場面で起こりうる可能性を考えるくせがついた結果、普段の生活でも抜けや漏れがないように考えるようになりました」

そう語るのは、渡辺聡さん(41歳・IT系リサーチャー)。以前に「かじったことはあった」という渡辺さんは、1年ほど前に息子と一緒に再度プログラミングに向き合い始めたのだという。

2020年から、小学校でのプログラミング教育が必修になる予定だ。期待されているのは、「プログラミング的思考」と呼ばれる考え方を身に付けること。2016年に行われた文部科学省の有識者会議の報告書には「子供たちに、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての『プログラミング的思考』などを育むこと(要旨)」と記されている。冒頭の渡辺さんの話もプログラミング的思考の一つだろう。

そもそも、プログラミング的思考にはどんなメリットがあるのか。『プログラミングは最強のビジネススキルである』(KADOKAWA)などの著書があるエンジニア・技術コンサルタントの松林弘治氏は「たとえばビジネスパーソンであれば、自分の仕事を進めるうえで達成しなくてはいけないことを、一つひとつの細かい要素に分解し、その依存関係や階層がどうなっているかを理解できるようになります。つまり、仕事を抽象化して全体の流れをとらえ、自分の抱える仕事が効率的に終わるよう優先順位をつけられるようになります」と説明する。

プログラミング的思考の実践方法を、ありふれた日常生活を例に紹介してみよう。「朝起きて会社に行く」という行動があったときに、まず「朝起きる」と「会社に行く」が分解できる。

さらに「朝起きる」は「目覚まし時計を止める」→「布団から出る」→「布団をたたむ」といった具合になる。「会社に行く」までの間に「朝ご飯を食べる」「スーツに着替える」のような工程があり、「朝ご飯を食べる」であれば「パンの袋を開ける」→「トースターにセットする」→「ジャムを塗る」などの要素に分解できる、といった具合だ。ここまで分解すれば、「トースターでパンを焼いている間にスーツを着ると、準備にかかる時間が短縮できる」といったことも考えやすくなる。

仕事のスピードが3割上がる?

学生時代にプログラミングを学んだという中島紳さん(46歳・建築、建設業)は、現在自分の仕事をタスクとして分解し、それを管理する方法で効率を上げている。

「プログラミングってコードを上から順に処理していくじゃないですか。それと同じなんですが、まずは自分がやらなければいけないことをすべて書き出して、そこから優先順位をつけて、今日一日で処理しなければいけない仕事とそれに必要な時間を考えて羅列していきます。そして、余計なことは考えず、上から順にクリアしていく。脳の処理能力を眼前の仕事に100%振り向けることで、感覚値ですが2~3割は効率が上がるように思います」

だが、プログラミングは万能薬ではない。

「プログラミングをやればプログラミング的思考が必ず身に付くかというと、そう単純な話ではありません」と松林氏は指摘する。その理由は「『何となく言われるがままにプログラムを書いている』、というケースがままあるからです」(松林氏)というのだ。

ではどうすればプログラミング的思考が身に付くのか。

松林氏は「実際にプログラムを書いていると、手を動かして組み立てていく作業と、そのプログラム全体が意味する役割を考えながら分解していく作業が、徐々に頭の中でつながってきます。手を動かし組み立てるのがボトムアップ、役割を考え要素分解していくのがトップダウンのイメージで、両方を続けているとどこかの時点で二つが一致するんです。そうなって初めて、『プログラミング的思考』が身に付いた状態になり、それを他のさまざまなことに応用できるようになります」と説明する。

子どもの話し方も整理される?

2020年以降、小学校でプログラミング教育が必修になると、将来的にどのような効果が期待できるのかといえば、まだその答えはすぐにはわからない。「データがないうえに小学校の特に低学年は抽象的に物事をとらえるということ自体が難しい」(松林氏)からだ。

また、仮に教育によってプログラミング的思考を身に付けることができたとしても、そのこと自体がその人の優秀さを保証するものにはなり得ないという。

「プログラミング的思考を身に付けた人がどんな仕事でも最も効率的にできるのであれば、プログラマーがあらゆる仕事に適性を発揮することになってしまいます。ですが実際にはそうなっていません」(松林氏)

それでも松林氏は「子どもがプログラミングを学ぶこと自体には大賛成です」と語る。プログラミングを学ぶと、「コンピューターの仕組みが直感的にわかり、うまく活用できるようになります。そして身の回りのものの仕組みに興味を広げることができます。将来的に営業の仕事に進んだり、経営層になったりしても、ITでどういうことができるかをわかっていれば、それだけでビジネスを優位に進められるはずです」(松林氏)。

冒頭の渡辺さんの話に戻ろう。一緒にプログラミングに励む息子の司くん(10歳)が、最近話すのが上手になったと明かす。

「プログラミングを学んでいることの影響かどうか判然としませんが、この前、小学校の学芸会が近いので何が面白いか聞いたら『何番目にやる○○が面白いよ。だってね○○だから』ってスラスラと説明したんです。最近まで思いつくことを思いつくままに話しているだけだったので少し驚きました」

ビジネスパーソンの仕事術にも、子どもの思考にも影響を与えるプログラミング。年齢問わず、思い立った時が始め時なのかもしれない。

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全国の約60店舗にて「Hour of Code」「Scratch」などの講座を開いている。教室では生徒がまったく同じことをするわけではなく、それぞれの課題に取り組むため、自分のレベルに合った学習ができる。週1回のコースや月1回のコースなど店舗によって実施回数や内容が異なるので近くのヤマダ電機で確認したい。

教材 Hour of Code のマインクラフト、Scratch
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操作 マウスを使って、ドラッグ&ドロップ
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