北朝鮮との軍事衝突を避ける道は1つだけだ カギを握るのはG20での米中首脳会談か

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「北朝鮮が今しがた、またミサイルを発射した」とトランプ大統領は書き込んだ。「この男(金正恩)の人生はほかにやることがないくらい、ヒマなものなのか? 韓国と……日本が現況をこれ以上そう長く我慢できるとは思えないが。おそらく中国が北朝鮮に強い圧力をかけ、このバカ騒ぎに永遠の終止符を打つことになるのだろう」。

4日、国家安全保障幹部と軍事当局はホワイトハウスに集合。終日に及んだ会議は、独立記念日祝賀会の欠席を余儀なくされた。そして、この日の午後遅く、レックス・ティラーソン米国務長官が発表した声明では、北朝鮮との接触をやめるよう世界各国に対し警告がなされた。これには金政権の歳入源となる北朝鮮における外国人労働者も含まれている。

プーチン、習近平と首脳会談へ

この声明は、今週末に開かれるドイツ、ハンブルクG20サミットにおいて予想外にも北朝鮮の話題が主なるものとなることを示唆する。ミサイル発射前から同盟国や関係の深い国々に向けて北朝鮮との取引外交の取りやめ、あるいは減らすことを持ちかけていた米国は今後、国連安全保障理事会の承認を得るためにさらなる圧力をかけることだろう。

トランプ大統領はまた、G20期間中にロシアのウラジミール・プーチン大統領と、中国の習近平国家主席との会談を控えている。米国内での話題は、トランプ・プーチン会談に集中しており、これに向けて米政府とロシア政府は非公式で「隠れた交流」というよりは、2国間における本格的な会談を行うことを決めている。

が、今回の北朝鮮のミサイル発射によって、トランプ・習会談への関心もがぜん高まっている。両国首脳は主に北朝鮮について協議すると見られており、これに先駆けてトランプ大統領は2日に習国家主席と電話で会談。前回の首脳会談では、フロリダ州にあるトランプ大統領が所有する高級ゴルフリゾートへの訪問で仲を深めたはずの「友人」が、北朝鮮に対して十分な圧力をかけていないことにトランプ大統領はいらだっている。

一方、中国政府は、米国が北朝鮮へマネーロンダリングを行ったと見ている中国の銀行に対して制裁を下したことに対して激怒。また、トランプ大統領は台湾への10億ドル相当の武器売却を進めているが、中国はこの動きを内政への干渉であるととらえている。

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