北朝鮮問題で米国と中国を待ち受ける「誤算」 中国による圧力が気に食わない国がある

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たとえば、ブッシュ大統領は2005年2月、中国の胡錦濤国家主席に北朝鮮が核物質を世界中に売りつけている事実の詳細を含む書簡を持たせた特使を送り、対処を迫った。これがきっかけで交渉が進み、同年9月の6者協議において非核化に関する共同声明が出される結果となったのである。しかし、その1年後、北朝鮮は最初の核兵器実験を実施している。

トランプ政権は、なぜ今この方法がうまくいくと考えているのだろうか。ひとつには、過去2つの政権が出した答えと同じで、「それよりいい選択肢がない」ということが理由だ。

もう1つの理由は、中国の指導部から「中国は行動に出る用意がある」という印象が伝わったことだ。その「印象」とは、フロリダ州で4月上旬に行われた米中首脳会談、そしてその後の2回の電話での会談で、習近平国家主席とトランプ大統領の間に得られた理解に基づくものである。

米中首脳間にある「共通理解」

最近、中国の北朝鮮政策責任者が米国の北朝鮮担当官に伝えたところによると、両国の指導者は、北朝鮮の核問題は決断の遅れを許すことのできない緊急の問題となっている、との見解を共有している。中国と米国で北朝鮮に対するスタンスの違いはあるにせよ、早急な対応が必要という点では一致している。

北朝鮮が核弾頭や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を行った場合、中国からはより厳格な対応が考えられる、と中国側はしている。こうした中、中国は米国によるターミナル段階高高度地域防衛(THAAD)ミサイル防衛システムの韓国への配備に対する米国への抗議を、ひとまず後回しにしようとも考えている。

しかし、より精力的に北朝鮮の非核化を目指すこの「合意内容」は、北朝鮮の政権交代なしで行うと米国が合意することが必須条件だ。中国は政権交代案に長い間反対してきているからだ。中国は北朝鮮の崩壊を招くような、激しい制裁は現実的ではなく、中国の利益にとっても危険性が高すぎると考えている。

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