ネコの本音は「人間のことが大好き!」だった マタタビよりもご飯よりも人が好き
猫はまず1匹ずつ隔離した上で、2時間半にわたり4つのカテゴリー(食べ物、おもちゃ、におい、人間との交流)からそれぞれ3種類の刺激物を与えた。猫が最も好む刺激を判断するために、食べ物(鶏肉、マグロ、猫用おやつ)、おもちゃ(羽根、ネズミのおもちゃ、針金の先に厚紙のおもちゃがついた「キャットダンサー」)、におい(アレチネズミのにおい、西洋マタタビと呼ばれるイヌハッカのにおい、ほかの猫のにおい)、人間との交流(赤ちゃん言葉で話しかける、撫でる、羽根がついたおもちゃで一緒に遊ぶ)のうちどの刺激でどのくらいの時間を過ごすかを記録した。
この後、それぞれ4つのカテゴリーから猫が最も好んだ刺激物を1つずつ選び、4つの刺激物を同時に猫に与えた。この時に、猫が何を選ぶかで、その猫が何を好むかを判断した。
55匹中うまく実験をこなせたのは38匹だけだったが、ちょうど半数の19匹がほとんどの時間を人間と過ごしたという。次いで、14匹の猫が食べ物を選び、おもちゃを選んだのは4匹、においを選んだのは1匹だけだった。飼い猫か保護猫かによる違いは見られなかったという。
猫は、社交的な関わりよりも孤独を好む?
研究者らは、「猫は多くの場合、社交的な関わりよりも孤独を好むと考えられているが、本実験データは異なる結果を示している」と述べている。また、この実験結果が、猫を飼っている人が自分の飼い猫をしつける際の手助けになる可能性があるとしている。
ただしインディペンデント紙は、注意点として実験が大規模なものではなかったことに触れ、また、どの人間にどう反応するかは猫によって異なる可能性があるとしている。
一方でメトロ紙(の明らかに猫好きの記者)は、「猫がよそよそしいと考えるのは、猫を飼っていない人だけ」であり、今回の実験対象となった猫の数はサンプル数としては十分ではないかもしれないが、猫を飼っている人なら誰であれ、今回の実験結果が正しいと裏付けできるはずである、と指摘している。
(文:松丸さとみ)
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