ブランドコンテンツとは
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ブランドコンテンツとは

ブランドコンテンツは、企業や団体のブランディングをサポートする東洋経済オンラインの企画広告です。

グローバルな世界は今、確実に私たちの眼前にまで近づいてきている。ビジネスや文化芸術は言うまでもなく、揺れ動く国際情勢からも、もはや私たちは無縁ではない。情報技術の進化によって、あらゆる情報が一瞬にして世界を駆け巡り、そのつど判断や決断を迫られることはすでに当たり前の景色となっている。多様性を意味するダイバーシティが浸透していく中で、私たちはこれまで以上に、学習や経験、場数を積み重ね、グローバル社会を生きていくためのイノベイティブな思考力、価値観を身に付けなければならない。
そんな新しいグローバル世界にいち早くチャレンジし、今必死に戦っている人たちにとって、必須の能力となっているのがスピード感のある決断力だ。では、どうやって彼らは「グローバル社会で求められる決断力」を身に付けることができたのか。日々世界を目指し、格闘する彼らの姿を見つめながら、そのヒントを探る。

京都に住んで心理学を学びたいという
希望がかなった学生時代

――現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

坊垣 購入型のクラウドファンディング事業「Makuake」に携わり、新しいビジネスを始める際のプロモーションやマーケティングのサポートをしています。

 新しいことを始めたい人が最初に相談できる場所として、クラウドファンディングそれ自体がプロモーションやマーケティングにつながるような状態をいかにつくり出すか、そのために必要なことは何かを考える毎日です。

――なぜ同志社大学を志望されたのですか。

坊垣 茨城県つくば市で育ったのですが、もともと関西で生まれたため、関西にもう一つの自分のアイデンティティがあるような感覚でいました。自分も関西に住んでみたい、とくに京都に住んでみたいと思っていました。さらに発達心理学という分野に興味があり、どこで学べるか調べていくうちにたどり着いたのが同志社大学だったのです。

――在学中はどのような活動をされていましたか。

坊垣 大学では3回生からゼミに入り、子どもの心理学について学びました。メディアが子どもの発育にどう影響するのかというテーマで、保健所などお子さんとお母さんが集まるところに実際に出向いたりもしました。ほかにも学内ではテニス、サッカー、イベント系など4つのサークルに入り、学外では塾のアルバイトをしながら学生時代を過ごしました。

――どのような経緯でサイバーエージェントに入社されたのですか。

坊垣 人や人の心に興味があったので、カウンセリングを通じて、世の中の人々の課題を解決したいと思ったりもしました。ただし、社会に出て実体験を経ないと、カウンセリングも薄っぺらいものになる気がしました。社会に出て経営やマネジメントを学ぶことで、カウンセリングに近い実践もできると思いましたし、就職活動をしてみようと思いました。

 実際にOB・OG訪問をしていくうちに、いくつか内定をいただいたのですが、その中でチャレンジングな会社で、かつ女性も活躍できる会社として選んだのが、サイバーエージェントでした。


ビジネスの基本は人だと
痛感した立ち上げ事業

――サイバーエージェントに入社していかがでしたか。

坊垣 幅広い経験ができる部署に入りたいと思い、立ち上げ中だった子会社を希望して参画しました。バズマーケティング(SNS等で、クチコミで顧客を広げる広告手法)をする会社です。立ち上げ時で本当に大変でしたが、やらされている感はなく、営業、運用、人事、財務などあらゆることを寝る間も惜しんで仕事をしました。そこで任された仕事をやり切ったことが自信を持つことにつながりました。あのときの経験がなければ、今の自分はないと思っています。

――その後もいくつもの事業立ち上げにかかわられていますね。事業立ち上げの際に重要なポイントとなるものは何でしょうか。

坊垣 ビジネスの基本はやはり人です。とくに最初の事業立ち上げ時のコアメンバーの採用と、会社のビジョンづくりが大事だと思います。

 実際、採用によってその後の事業の伸びは大きく変わると思います。ビジョンに共感した人材を採用していれば、トラブルも少なく、圧倒的に事業が早く立ち上がります。10年、20年先の会社の将来はそこで決まるのでは、そんな思いでとくに初期メンバーの採用には取り組んできました。

――立ち上げ事業を通じて学ぶものはありましたか。

坊垣 自分の経験で大きかったのはゲーム事業に携わったときのことです。その子会社はゲーム関係の人たちによってつくられたもので、主に広告事業を手掛けてきた私とは異なる文化の中にありました。私のミッションは、いわゆる異文化交流を通じて互いの良い部分を引き出していくことでしたが、実際には文化が違い過ぎて私では力不足でした。それでも自分にとっては大きな学びとなりました。


マネジメントの基本は「対話」

――その学びを通じてご自身の中で変化はありましたか。

坊垣 次に役員として配属された子会社では、最初の1カ月で社員全員と面談をしました。相手を理解し、自分を知ってもらうことから始めないといけないと思ったからです。後で入ったからこそ見えてくる会社の課題もあり、それを一つひとつ洗い出して解決していきました。自分と違うタイプともコミュニケーションし、相手を理解していくという経験は、今の組織づくりにも大きく役立っていると思います。マネジメントにおける対話の重要性を実感しました。

――マネジメントにあたって気をつけていることはありますか。

坊垣 相手の立場に立ってつねに考えることでしょうか。うれしいことも、嫌だと思うことも、人それぞれ違います。私は新しいメンバーが入ったときには、「どうやってマネジメントされたいのか」を最初に聞くようにしています。それを聞かずに、自分流のマネジメントを押し付けようとすると、どうしても関係性がおかしくなってしまいます。

 解決策は本当にシンプルで、聞くだけです。細かく見て指導してほしい人もいれば、あまり構われたくない人もいます。きちんと怒ってほしい人もいれば、怒られると萎縮する人もいます。だから、どう扱われたいかを聞くのです。そうやってマネジメントしていれば、相手は自分のことを考えていると思ってくれるようになります。そこから信頼関係も生まれてくると思います。


客観視することで「決断力」が高まる

――「決断力」を高めていくためには、どのような考え方が必要でしょうか。

坊垣 新しいビジネスを始めるうえで重要なことは、つねに客観視することです。新しいビジネスを始めるとどうしても没頭してしまいがちです。競合の状態や周りにどう見られているのかが気になります。事業だけでなく自分もそうです。いずれも客観視することで、解決法が見えてくる場合が多いと思います。苦しいときほど没頭しがちですが、客観視することで道が開けるときがあるのです。

 客観視することを繰り返せば決断力も高まっていきます。今、事業がどの立ち位置にあるのか、今後どうなるのか、どうなっていきたいのか。そうした問いかけを繰り返していくことが大事だと思います。

――正しい決断をするためには、知識や情報が不可欠です。そのために、日頃どのような取り組みをされていますか。

坊垣 私が携わっているクラウドファンディング事業は、もともと海外から生まれたビジネスです。そのため、海外の事例を見ながら、日本流にどうアレンジするのかを考えるようにしています。

 インターネットの世界は、海外で流行っているから同じことをすれば日本でも成功するというものではありません。グローバルである一方で、国によって文化も人も異なるため、自然とビジネスの方法も変わってきます。法律や慣習の違いもあり、気をつけるべきポイントもそれぞれ違ってくるのです。だからこそ、日本流にアレンジすることが大事なのです。

――坊垣さんの将来の目標をお聞かせください。

坊垣 もともと私は「これがやりたい」という気持ちが強いタイプではありません。むしろ環境で自分の場所を選んできたタイプです。ただ、今はこの事業を大きくして、いろいろな新しいビジネスが成長するのと同時に会社と自分が成長していくこと、そこに大きな夢を持っています。

 今、海外から日本に事業進出する人たちが、自分たちのビジネスが支持されるかどうかをまずクラウドファンディングで試すケースが増えています。いわばテストマーケティングのためにクラウドファンディングを使うのです。さらにクラウドファンディングは、融資や助成金の判断材料にもなってきています。地方自治体から大企業まで引き合いも急激に増加しています。

 私はこのクラウドファンディングという仕事を通じて、新しいビジネスが生まれていくための入口をできるだけ広くサポートしたいと思っています。インターネットの力で、本当に良いもの、人が必要としているものが生まれ、売れる流れをつくる。それが今目指している世界ですし、必ずや実現できると思っています。

坊垣佳奈(ぼうがき かな)株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング取締役●2006年同志社大学文学部卒業後、サイバーエージェント入社。サイバー・バズの立ち上げに参画。10年サイバー・バズ取締役に就任。12年Cygamesに異動の後、Cydesignationの立ち上げに参画。12年グレンジ取締役就任。13年よりサイバーエージェント・クラウドファンディングの立ち上げに参画し、取締役に就任。