「働き方革命」は、日本でも始まっている 創造性を高めるワークスタイルとは?

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佐々木:チームワークを重視するなかで、お互いのバックグラウンドや考え方をよく知っていることが重要になるので、それを語り合うような会を、チームごとにたまにやります。ただ、それはお酒なしで昼間にやります。

会議中でも、自分のことをきちんとオープンにして議論を進めていくことが大事だと思っています。お酒なしで語り合うのは、そのためのトレーニングでもあります。お酒を飲んだからやっと自分について話し出せる、というのではダメだと思いますね。

昼間の会議室で、お酒なしで、とはいえお菓子などを少し食べながら、自分の生い立ちについて話をしたり、人生のなかで味わってきた幸福や苦難などについて話し合います。

山田:宗教に近いところがある?

佐々木:そういう面もあるかもしれません。しかし、チームワークをつくっていくうえでは、すごく大事なことだと思います。元Google社員で、いまはUberに移籍したレイチェル・ウェットストーンさんが、「Googleというのは会社ではなくてムーブメントなんだ」と言っています。僕はこの言葉が大好きです。

ムーブメントというのは、たとえば学生運動のようなものですよね。そういう会社をつくりたいと僕は思っています。一緒に闘っていく仲間としっかり心でつながっていたい、そして、そういうところをお酒に頼らない、というのが重要だと思っています。

山田:田中さんのところは離職率が低いですね。コミュニケーションに何か秘密があるのでしょうか?

田中:僕は引っ込み思案で社外の方と会食するのが苦手なので、ひたすら社員とお酒を飲んだり、食事をしています。たとえば中途採用の人とは入社1カ月、3カ月、6カ月、1年といった節目に、一緒にごはんを食べたりしています。週に3回は社員と飲みに行っているのではないでしょうか。

山田:飲み会の場で何か決めることはありますか? 飲んでいるときに、「よし、それやろう」ということは?

田中:それはありません。「最近彼女できたの?」といったプライベートな話しかしないです。

山田:社員に不幸があったらサポートして、彼女がいるかどうかもサポートして、ということですか。

田中:紹介サポートまではしませんよ(笑)。

面接官を鍛える方法

山田:会場の皆さんからの質問は、いかがでしょうか。

参加者:佐々木さんは、面接官のトレーニングをされているということでしたが、具体的にどんな取り組みをされているのでしょうか。

佐々木:僕たちがどういう採用基準を持っているか、また僕たちは何を重視しているのかということを、徹底的に話し合って共有します。そして、「この質問は良かったね」といった感じで、面接時にあった具体的な事例も共有します。

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