「働き方革命」は、日本でも始まっている 創造性を高めるワークスタイルとは?

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角川:それから、採用の観点でいうと、神山町の経験があったからこそ社内のリモートワークのリテラシーが上がってきて、東京への転勤がないかたちで地方の人を採用できるようになりました。

田中:最近、かっこいいオフィスにいると右脳の能力がどんどん下がるなって思っています。そこで、サテライトオフィスではありませんが、8人ぐらい働けるようなローテーションオフィスを鎌倉につくってみました。

そうしたら、みんなハードに働く一方で、リフレッシュして東京に戻ってくるんですね。理由はまだ謎のままですが、そのぐらいやらないと、右脳を刺激して新しいアイディアを出し続けるのは無理だと思っています。鎌倉には、常駐で働く人がいるわけではなく、週1回ぐらいは行くようにしています。

面接官を育てることがなぜ大事か

山田:次のテーマに移りましょう。皆さん成長過程にある会社なので、1週間に1回は採用面接をしているというくらい、常に採用活動をしていると思います。採用に関してどういうところに配慮されているでしょうか。

角川:当社は5人のチームからスタートして、もうすぐ社員が200人になるのですが、起業初期の熱量と人材のハードルを下げないように、歯を食いしばっている感じです。

佐々木 大輔●freee代表取締役

佐々木:当社は現在、社員が150人ほどいますが、向こう1年でさらに100人ぐらい採用しようとしています。最も大変ではありますが、力を入れているのは、面接官をいかに育てるか、ということです。

面接官としてのスキルが高い人が面接をすれば、候補者の隠れた才能に気づきやすいし、自分より優秀な人を恐れずに採用できるということがあります。

ところが、そのスキルが低い人が面接をすると、自分より優秀だという雰囲気を出している人を採用しなかったり、候補者の良いところに気がつけないということが起こりがちです。

ですから、面接官としてトレーニング中の人を、あえて面接官に含めるということもしています。その人の意見は、もちろん最初は参考にされるウェイトが低いですよね。そして、その人の面接のフィードバックに対して、別の面接官がフィードバックをします。これにはコストがかかりますが、成果は着実に出ます。

山田:成長してオフィスが立派になってくると、こんないいオフィスで働いてみたいとか、あるいはあんな大企業が出資しているから安心して勤められる、といったように、大企業に勤めるようなつもりで来る応募者も当然いますよね。それに対してはどうお考えですか?

人間としての社員にどこまで向き合うか

佐々木:オフィスはそれなりにかっこよくはしていますが、場所が五反田ですからね。どれだけ僕たちのミッションに共感してくれるかとか、そういうところを重視しています。それから、どれだけ経験があるかよりも、どれだけ「のびしろ」がありそうか、あるいは新しいことが好きで挑戦を続けていけそうかを見ています。

あとは、Googleも活用していたと言われるエアポートテスト。24時間空港に閉じ込められたとしたとき、この人と一緒に過ごせるかどうか、という基準ですね。これも重視しています。

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