「働き方革命」は、日本でも始まっている 創造性を高めるワークスタイルとは?

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山田:角川さんは、どうでしょう?

角川:人生の岐路に立ったときにどういう意思決定をしてきたかを深掘りすることはよくありますね。

就職面接は、その人の価値観とか将来の展望が当社と噛み合うかを確かめる「お見合い」の場なので、深いところですりあわせができていないと、入ったけれどすぐやめる、ということにつながってしまう。ですから、それが最も見えてきそうな、転職なり就職なり結婚なり、意思決定の重要なところでどう判断したかを掘っていきます。

池見:横浜国立大学の服部泰宏先生が進められている「採用学」という研究で、こんな報告がありました。人間による面談を4回やって採用したAさんと、適性テストを4回やって採用したBさん、3年後のパフォーマンスはどちらが良かったかを検証した研究なのですが、実はBさんのほうが良かった。

とすると、採用に関しては、ミッションやビジョンを軸にして人間の基準で採用していくのと、Googleのように質問内容や採用設計をしっかり分析・定量化して、自分たちのワークスタイルや文化にフィットさせていくやり方の、2パターンあるのかなと思います。

社員からの紹介をどう増やすか

山田:『ワーク・ルールズ!』のなかで、良い人材を採用するのに一番好ましいやり方と言われていたのが、社員による「紹介」です。ただ、その紹介が少なくなっていることに課題を感じていると、著者のラズロ・ボックさんが書いています。皆さん、紹介はけっこうありますか?

佐々木:あります。エンジニアはほとんどそうですね。最近、マネジャーごとに目標を設定しました。

山田:軋轢が生じたりはしませんか?

佐々木:そういうケースも、あるにはあります。ただ、最初はカジュアルに話をする機会を設けたり、というところから始めるようにしています。

その段階で、フィットしないなと自分が感じたら、たぶん相手も同じようにフィットしないと思っているケースが多い。採用という言葉は一方的に選ぶという響きがありますが、実際は双方のマッチングだと思っています。

角川:うちはその点、苦労しているほうだと思います。たとえば、エンジニアはなかなか友人・知人を紹介しようとしないので、紹介制度をつくってみたりしています。うちが良い会社だと思わなければ紹介したいとも当然思わないので、文化づくりとか社内制度を整え始めているというのが、正直なところですね。

飲み会が会社のトーンを決める?

山田:20年ほど企業の取材をしてきた経験では、企業の形質は社長が酒を飲むか飲まないかとか、飲み会をどれだけ重視するかとか、そういうところでけっこう変わる面があると思っています。特にスタートアップにはそういう傾向があるな、と。

オフィスですべてを決めるか、あるいは裏側でも評価するかというので変わってくる面があると思いますが、佐々木さんはどうでしょうか?

佐々木:面白い考えですね。創業したてのころは、僕たちはみんなで毎日飲みに行っていました。それこそ夜中にラーメン屋で語り合うということばかりしていた。でも、最近はまったく違っています。

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