「働き方革命」は、日本でも始まっている 創造性を高めるワークスタイルとは?

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佐々木:結果として、僕たちの会社はそんなに変わっていないと思います。この人が僕たちの5番目の社員だとしてもおかしくないなという人が、最近でも多く入社してきています。

一緒にバーベキューをやって楽しそうとか、みんなで一緒にいたときに楽しい空間をつくれるかどうかが、かなり重要です。

山田:そうじゃないと、長い時間一緒にいたくないですからね。

田中 弦●Fringe81代表取締役

田中:先日、社内で社員が100人を超えてどうしようか、という話をしました。最近の役員会で話したことで一番良かったのは、社員の不幸にどう付き合うか、です。

社員が100人を超えて増えてくると、社員が自分(役員)のあずかり知らぬところで、たとえばプライベートでトラブルに巻き込まれたりしていることがある。それにどこまで付き合うかという話をしました。私たちはできる範囲で、全部付き合おうという結論になりました。

もちろん、採用もとても大事なことです。一方でマネジメントを考えると、社内で働く人のマネジメントというのと、もっと大きく、その人を人間としてどう扱うかというマネジメントがある。社員のプライベートのどこまでを会社がケアするかを考えるのが大事になってくる段階まで来た、という話をしました。

山田:人を採るときにどうメッセージを出すかも重要だと思います。田中さんの会社は、広告技術をアピールポイントとして打ち出していますよね。

田中:僕たちは、広告をやりたいというだけの人は採りません。もちろん、一番伸びている仕事ではありますが、広告だけをやりたいなら他にも会社はたくさんある。それよりも僕たちのビジョンや文化を見てほしい。

特に僕はブログを書いているので、採用候補者とは、僕のどの記事がどう刺さったか、という話しかしません。もちろん、一次や二次の面接ではいわゆる普通の質問もします。ですが、最後はそれしか見ないです。

面接で必ず質問することは?

山田:候補者に必ずする質問とか、ここを見ると間違いがないというポイントは、ご経験のなかでお持ちですか?

田中:それを言ってしまうと候補者がみんな合格してしまうので……(笑)。

山田:では、大ざっぱに、差し支えない範囲でぜひ。

田中:完全に土俵をずらした質問をしますね。普通だったら面接でこんなこと聞かれないだろう、という質問をしたときに、見えないものが見えてくる。

たとえば、「お父さんやお母さんと過ごした時間で、一番楽しかった思い出を教えてください」と聞くと、自分の親がいかに自分を愛してくれたかという、すごくいい話を聞けたりします。そうすると、ああ、この人は愛されてきたんだな、それがちゃんとわかっているんだな、というのが見えてきて、最高ですね。

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