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オリックス宮内氏「日本はまだまだ周回遅れ」 改革余地はあまりに大きく将来の株価は青天井

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オリックス宮内義彦シニア・チェアマン
「株価が前回高値に戻るまで30年以上もかかるとは思っていなかった」と語るオリックスの宮内義彦シニア・チェアマン(撮影:梅谷秀司)

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規制改革とガバナンス改革の旗を長年、振り続けてきたのはオリックスの宮内義彦シニア・チェアマン(88)だ。30年超にわたり経営トップを務め、政府の規制改革会議にも携わった。
今年2月、日経平均株価が1989年につけた史上最高値を更新した。この間に起きた日本企業の変化は宮内氏の目にどう映っているのか。

 

――日経平均が前回高値をつけた平成バブル以降の失われた30年。金融界も大きく変わりました。

銀行が倒れるとは、まったく夢にも思わなかった。バブル崩壊直後、親しくしているアメリカ人の投資銀行のトップから電話がかかってきた。とある都市銀行の名を挙げて「大丈夫か教えてくれ」と尋ねられた。私は「そんなもん、潰れるわけがない」と答えた。だが、結果としては(その銀行は)完全にアウトだった。

――当時から国際派とされてきた宮内さんでも危機感はなかったと。

あるエコノミストにも「銀行がもたない」と言われていたが、私はポカンとしていた。国際派と言われた私ですらこの程度。国内派はもっと危機感が薄かった。

この30年超で日本は少しずつ変わってきたのは確かだ。しかし、世界と比べると今の時点ではまだまだ周回遅れだ。ひょっとしたらもっと遅れているかもしれない。

「業績の悪い社長」を替えられていない 

――どのような点で遅れているのでしょうか。

端的に言うとガバナンスが効いていない。アメリカではしょっちゅう企業経営者が交代しているが、これは社外の取締役が替えている。日本では「業績が悪いから」という理由で社外取が社長を替えたという話は聞いたことがないが、アメリカでは日常茶飯事だ。

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