見せかけの処方箋に騙されてはいけない

平川克美氏、新刊を語る

先進国が成長から成熟へと向かういま、株式会社は「未開地」と「階層化」を追い求め、その生き残り戦略をグローバル化に求めている。

 その中で「病」としか呼びようのない症状が広がっていると、シリコンバレーで活躍した現役経営者でもある平川克美氏はこの間指摘し続けている。

 長年の盟友である内田樹氏が「これは平川君の書き物のうちでも最良のもののひとつだと思う。僕はこの本のすべての頁に同意署名できる」と推薦する『グローバリズムという病』。執筆の背景や、グローバリズムの渦中で苦闘しているビジネスパーソンに伝えたいことを平川氏に聞いた。

グローバル標準が普遍的であるかのように

――ご自身が文筆家であるとともに、シリコンバレーやヨーロッパでもビジネスをされてきた経営者でもあります。平川さんご自身は、「グローバリズム」とは、どのように付き合われてきたのでしょうか?

何度も言っていることですが、グローバリゼーションとグローバリズムとは区別すべきです。当初はそのことが理解できずに、あたかもグローバリズムが主張する、グローバル標準が普遍的な価値であるかのように思い込んでいました。

 グローバリゼーションは文明の進展に伴って起きる自然過程ですが、グローバリズムは株式会社が利益を確保するために、世界を一つの市場にしようとする金融セクターが作り上げたイデオロギーなのです。そのイデオロギーに対してわたしは、常に違和感を抱いていました。実際に、グローバリズムのメッカのようなシリコンバレーで働いてみて、あの場所が実はとてもローカルな場所であり、地元の人間がコミュニティを大切に育てて行こうとしていることを知りました。

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