イオンは1月、ベトナム・ホーチミンの郊外に、ベトナム1号店をオープンした。「そんなところまで客が来るわけがない」とテナント候補たちには後ろ向きな反応を示され、厳しい交渉が続いたが、ふたを開ければ初日15万人の来客。一時は入場規制が敷かれた。現地で知られていないはずのイオンに、なぜこれほどの客が集まったのか。イオンベトナムの西峠社長に話を聞いた――。
イオンは1月、ベトナム・ホーチミンの郊外に、ベトナム1号店となる「イオンモール タンフーセラドン」(以下、イオンベトナム)をオープンした。海外の同社モール型大規模商業施設としては、マレーシア、中国に次ぐ3カ国目で、ベトナム最大の商業施設となった。
グランドオープンした11日、館内は現地で暮らすベトナム人でごった返した。1日の来場者数はなんと15万人。バイク5万台、クルマ1000台で詰めかけた客で巨大な館内は混雑となり、一時は入場規制が敷かれたほどだ。
ベトナムは市民の主な足がバイクだが、駐車場に入りきらなかったものは周辺の空き地に停められ、即席の駐車場が設けられた。商魂たくましい地元住民が自主的に交通整理を始め、勝手に商売を始める場面もあった。
夜8時ごろになるとさらに客足は伸び、客足もピークに。直射日光を避けたいバイクの運転手たちが、涼しくなった夜に駆け込んだものと思われる。イオンベトナムの社長である西峠泰男氏は「殺気立ったようなすごいパワーを感じた」という。
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