南京大虐殺と、“日本人”としての娘の戦い

私と両親と娘にとっての「現代史」

日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。
しかし残念ながら、日本で日本人の両親から生まれ、日本の教育を受けて育つと、真の日本人にならない。一人娘をアメリカと中国の教育で育てたジャーナリストが、その経験を基に、日本人とは何かを問いかける。
2007年に大幅リニューアルされた南京大虐殺記念館。館内には、犠牲者の写真や人骨のレプリカなどが展示されている(写真:AP/アフロ)

 私の記事に対する痛烈な批判

前回までの記事に対して、ネットで次のような書き込みがあった。また、同じような内容のメールが、私の個人HPを通してたびたび届くようになった。

「あなたの娘さんは不幸ですね。聖徳太子も徳川家康も坂本竜馬も知らないで日本人になったのですから。そのほうが真の日本人じゃない」

「この人の娘のように、インターに通った結果、日本文化が学べなくてアメリカ人としても日本人としても中途半端になる結果が見えている」

「あんたの娘は日本人モドキであって真の日本人ではない。多分日本人の基礎スキルをほとんど持ってない」

こうした見方はまったくの誤解だ。この人たちの頭の中では、英語で教育を受けた日本人は日本人ではなくなり、売国奴のようになってしまうようだ。そんなことがあるわけがない。英語で教育を受け、アメリカ文化を学んだからといって、同時に日本語と日本文化を学べば、日本人というアイデンティティを失ったりはしない。むしろ、日本語と日本文化だけを学ぶより、かえって強く日本を愛する心が育つ。

インターナショナルスクール(以下インター)は世界中にある。北京にもソウルにもシンガポールにも、そして、ドバイにも、ナイロビにもある。私は、娘がアメリカ留学中に、世界各国のインター卒業生に何人も会ったが、彼らはみな愛国心が強かった。

特に中国人と韓国人留学生の愛国心は、日本人よりも強かった。もちろん、彼らはそうした祖国への愛を英語で語る。

だから、現在の中韓に対して不満があり、日本の主張をわからせたいなら、英語を積極的に学ぶべきだろう。日本の国益を守りたいなら、日本国内で仲間うちだけで日本語で主張し合っていても意味がない。

日本の学校で、日本語で教育を受けないと日本人でない。たとえ、その教育が「詰め込み教育」「お受験教育」「自虐史観教育」であろうと、日本の教育を受けなければ日本人になれない。そんなことがあるだろうか?

この理屈でいくと、反日教育を受けた中国人こそが中国人であり、北京のインターに通って英語を話す中国人は中国人ではないということになる。

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