東洋経済「私立大学財政データ」から見るランキング。ここでは現金預金や有価証券など金融資産の合計である「運用資産」が多い私立大学上位200位(200校)を紹介。
私立大学を運営する学校法人が保有する金融資産の1つとして前回「有価証券」保有額のランキングを紹介したが、ほかにも現金預金などもある。
そこで今回は学校法人が保有する金融資産で国債・社債といった債券や株式などの「有価証券」に「現金預金」や「特定資産」を加えた金融資産全体の保有額(「運用資産」と呼ばれている)でランキングした。
大学法人の財務分析では、「有価証券」+「現金預金」+「特定資産」を「運用資産」と呼んでいる。有価証券は貸借対照表の「流動資産」(短期保有)と「その他の固定資産」(長期保有)に記載されている合計値。ここに「現金預金」と、退職給与引当金や、施設設備整備建設のための引当金など、将来の特定の支出に備える「特定資産」を加えて「運用資産」を計算した。
さらに参考情報として、「受取利息・配当金」と、運用資産に対する受取利息・配当金の比率である「運用利回り」も掲載した。この2つの指標から、保有する資産からどれだけ運用益を生み出しているかがわかる。では、実際にどのような大学が上位なのか。ランキングを見ていこう。
「運用資産」の多さでランキング
1位は帝京大学(帝京短大を含む)で3911.7億円。現金預金555億円、特定資産3109億円、有価証券245億円。受取利息・配当金は66.5億円だ。総資産6362億円の6割以上が金融資産となっている。
2位は岡山県の川崎学園(川崎医科大、川崎医療福祉大、川崎医療短大)の3697.1億円。有価証券は流動資産に1079.5億円、その他の固定資産に0.9億円の1080億円。現金預金224億円に特定資産2392億円。受取利息・配当金は155.9億円で学生生徒等納付金128億円を上回っている。運用利回りも高い。
3位は日本大学で3335.6億円。現金預金が417億円に特定資産2913億円となっている。
4位の慶應義塾(慶應義塾大)は1947.8億円。受取利息・配当金が48.4億円と多い。
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