市場の焦点は参院選と米国利上げにシフト

急減速した米国雇用者数は勢いを取り戻すか

いよいよ参院選。19日にはネット党首討論が開かれた(写真:伊藤真吾/アフロ)

離脱(Brexit)か残留(Bremain)なのか。足元の世論調査では英国の欧州連合(EU)離脱懸念が後退してきた。しかし、英有力紙はかなりの接戦(neck and neck race)と伝えられており、予断を許さない状況が続いている。一方で、日本株はテクニカル面やバリュー面から下値を固めつつある。今後は7月に控える参院選や米雇用統計等へ目配りしていく必要もありそうだ。

18日間に及ぶ夏の陣が始まる。6月22日に第24回参院選が公示され、7月10日に投開票となる。改選定数121(選挙区選73、比例選48)に対し、選挙区・比例代表合わせて390人前後が立候補する予定。なお、立候補者は前回(2013年433名)に比べて約40名減ったのは、野党4党(民進、共産、社民、生活)が1人区で候補を一本化したこと等が影響している。また、選挙権年齢を引き下げる改正公職選挙法を受け、初の18歳以上の国政選となる。

7月、米利上げは可能性ゼロと言い切れない

2016年の年頭記者会見においても安倍首相は「未来に果敢に挑戦する1年」と強調し、参院選では「自民、公明両党で過半数を確保したい」と表明している。しかし、国内総生産(GDP)600兆円を掲げながら、国内の設備投資や個人消費の動きは鈍い状況が続く。消費税率10%への引き上げ延期(2019年10月~)をこの参院選で国民に信を問い、自公両党で過半数の61議席獲得を目指す。さらに憲法改正の発議に必要となる3分の2の議席を得ることも焦点となりそうだ。

5月の米雇用統計は非農業部門雇用者数の増加幅が3.8万人に失速、5年8カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長も「雇用の改善は際立って減速した」と失望感をあらわにして、6月15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げを見送った。先行きの想定利上げペースは年内2回を維持したものの、年内1回と見込むFOMCメンバーも増えている。

ただ、米雇用市場の腰折れと判断するのは早計ともいえる。5月は米大手通信会社のストライキが雇用者数を押し下げたことや、完全雇用水準(失業率4.7%)に達した反動による就業者数の伸び鈍化等の特殊要因も指摘されている。今後は完全雇用に近い状態が続けば労働市場が徐々に引き締まり、いずれ賃上げの動きにつながることも想定される。

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