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京急事故、運転士にブレーキ判断の余裕あった? 信号機、当初説明の600m手前からは見通せず

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京急は「(国の技術基準では)発光信号の設定は制動で止まれる距離となっている。時速120km区間の場合は517.5m以上あればいい。600mはあくまで列車防護の距離」(施設部)と、遠方用発光信号機の位置に問題がないことを強調した。

今回、さらに遠くに遠方用発光信号機を設置するのは「ブレーキ操作により余裕をもたせるとともに、さらに視認性を向上させるため」だ。

踏切まで約570mの車上から発光信号機(左側の2本の電柱の間にある赤い光)を見た状態(写真:京浜急行電鉄)

ただ、同社がいう517mという距離は、線路がぬれていないドライの状態。「雨で極端に制動距離は伸びないと判断している」(安全推進部)というが、いわば最高のコンディションの場合だ。それでも同社鉄道本部は、517mという最短の条件からすれば、現状の設置状況は「結果的に余裕がある」と説明する。

だが、運転士が常用ブレーキで停めるのか、あるいは非常ブレーキを使うかという判断の余裕を見込んで発光信号機の設置位置を決めたという説明はなかった。

運転士に判断のゆとりを

自動車がゆとりをもって踏切に進入すれば、踏切事故はほぼ防ぐことができる。だが、それとは別に、運転士がゆとりをもってブレーキなどの判断をできる体制をつくるのは鉄道事業者の務めだ。

この事故の負傷者は乗員乗客77人(重傷2人、軽傷75人)と、事故当時より増えた。トラック運転者も死亡した。

この事故から学ばねばならない教訓は何か。運輸安全委員会や自動車事故調査委員会などの調査が継続していることもあり、全容が判明するまでにはまだ時間が必要だ。結論には長い時間がかかるが、とにかく京急は一歩を踏み出した。

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