実は退任発表のわずか3日前、筆者はフランス・カンヌで開催された国際映像コンテンツ見本市「MIPCOM」で、バジャリア氏の講演を取材したばかりでした。アメリカ最大手の業界誌『Variety』とMIPCOMが共同で贈る賞を贈られ、壇上でNetflixの世界戦略を熱く語っていた姿を見たばかりだっただけに、突然の退任には驚かされました。
映画部門トップのダン・リン氏も退任するなど、幹部の顔ぶれが大きく変わりました。株価も年初から3割以上下落し(11月6日時点)、これだけ聞けば、Netflixの経営に何か深刻な問題が生じているようにも思えます。
Netflixの「世界の会員増加」を牽引している日本
日本はというと、好調さを示す具体的な材料がいくつかあります。まず、26年3月にNetflixが日本で独占配信したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)です。
同社によると、WBC全47試合の延べ視聴者数は3140万人に上り、日本での視聴記録を更新。また、1日の新規登録数も日本で過去最多となり、その成果はNetflix全体に好影響を与えた様子です。4月の決算インタビューでテッド・サランドス共同CEOは「第1四半期の世界全体の会員増加を牽引したのは日本。四半期の有料会員純増数も日本では過去最高となった」と、強調するほどでした。
もう一つの好材料が、日本発のオリジナル作品です。
Netflixが10月20日に発表した第3四半期決算では、松岡茉優と仲里依紗がダブル主演する9月配信の『ダウンタイム』が1200万ビューを記録し、日本で過去最も視聴されたシリーズになる見込みだといいます。世界の株主に向けた決算資料の中で成功例として紹介されていることも、日本の好調ぶりを物語っています。


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