今でこそ「母は毒親である」と言い切れるが、ポメさんは長い間、「母の異常さ」に気づかずに生きてきた。「どこの家庭もこんな感じなのだろう」と。こうした家庭環境が、ポメさんの心を蝕んでいったのは想像に難くない。
どうにも埋まらない“寂しさ”や自己肯定感の低さからか、彼女は自分を不幸にするような相手ばかり引き寄せてしまう。後に「夫」となる2歳年下の男性「シオくん」も、そうした一人だった。
職場恋愛を経て20代で結婚、徐々に現れた「夫の本質」
高校卒業後、「人に尽くすような仕事がしたい」とポメさんが就職先に選んだのは、「マッサージ店」だった。自身で稼いだお金で家を出て、ようやく母の虐待から逃れることができた。
人並みに恋愛もしてきたが、「相手が離れていかないか」という漠然とした不安感が常に拭えなかった。そんなときに出会ったのが、大学生のシオくんだ。
「職場にアルバイトとして入社してきた彼は、独特な色気があって人を惹きつけるタイプ。私を含む女性社員にやさしく声をかけてきて、すぐに注目の的になりました。その頃、彼は年上の女性と性的な関係を持って、お金をもらっていたようです。いわゆる『ママ活』ですよね。絶妙な距離感で心の隙を突いてくるような魅力がありました」
職場の先輩・後輩だった2人が急接近したきっかけは、ポメさんが当時の恋人と別れたことだ。ある日、仕事帰りに恋人の「浮気現場」を目撃。ポメさんは、勇敢にも恋人に飛び蹴りを食らわせたという。作り話のようだが、すべて「本当の話」だ。
「浮気したら飛び蹴りするから、と以前に話していたので(笑)。彼は唖然としつつ一緒にいた女性をかばっていて、『もうダメだな、私が入る隙なんてない』とすぐに別れを決めました。別れたことを知ったシオくんから積極的なアプローチがあり、話しやすさや妙な色気に惹かれていったんですよね」
ポメさんと交際するにあたり、シオくんはママ活をしていた女性たちときっぱり関係を解消。2人はすぐに同棲生活を送るようになり、交際が1年を過ぎた頃、シオくんからプロポーズを受けて入籍した。「あまりに未熟な2人でした」とポメさんは振り返るが、真剣に交際していたからこそ、ポメさんにとって結婚は「自然な選択肢」だったのだ。
ちょうど大学を卒業した彼が就職したのも、結婚した頃。すると、それまで順調だった生活が徐々に変化していく。だんだんと夫の帰りが遅くなり、「何してるの」と聞いても「残業で」と適当に交わされる。そのうち2、3日帰ってこない日も……。寂しさや不安が限界に達したポメさんは、精神不調に陥っていく。


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