「Rocket(ロケット)」は、車体周囲にスラスターを配置し、前方や上方への推進、空中での姿勢制御を想定した最上位仕様だ。定員は1人で、購入は招待制となっている。テスラの公式サイトには、公道走行用として認可されていない旨が明記されている。
最大の壁は法規制。空飛ぶクルマの管轄は?
新型ロードスターの実用化を考えるうえで、技術面と同じくらい重要なのが法規制の問題だ。
空中に浮上する機能を持つロードスターを、どの政府機関が監督するのかについてアメリカ合衆国運輸省などに取材した米CBSの報道によれば、現時点では監督権限の所在が明確になっていないという。
アメリカでは、通常の自動車については道路交通安全局(NHTSA)が連邦自動車安全基準(FMVSS)などを通じて監督し、航空機については連邦航空局(FAA)が安全や運航に関する規制を担う。
では道路を走行するだけでなく、推進装置によって空中に浮上する車両はどう扱われるのだろうか。
CBSによると、FAAはテスラの車両が同局の定める「航空機」の定義には該当しないとの見解を示したという。一方、NHTSAは、「この車両が実際に離陸できるかどうかについては懐疑的だが、誰が監督するのかについては明確な答えがない」と回答した。
なお、FAAが航空機として扱わないと回答したことは、新型ロードスターの飛行機能そのものを合法と認めたのではなく、FAAの管轄外だから航空機向けの安全基準も適用されないと述べたに過ぎない。
250ポンド(約113kg)を超える飛行体であれば、通常はFAAの承認プロセスと国家空域での運用許可が必要になるが、新型ロードスターの「数秒間のジャンプ」は、持続的な巡航や航行能力を持たないため、この枠組みに収まらないということだ。
またNHTSAの回答も、新型ロードスターが公道走行可能な車両として必要な認証を取得したことを示してはいない。アメリカでは、通常の自動車はNHTSAが規制対象とするが、安全認証については自動車メーカー自身に委ねられている。


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