一方で、アレクシー副局長は「現在、前向きな進展が見られるプロジェクト」として以下の3つのプロジェクトを挙げた。
- ロサンゼルス東部のランチョクカモンガとラスベガスを結ぶ全長350kmを時速320kmで走行する高速鉄道計画「ブライトラインウエスト」
- カナダのバンクーバーからアメリカのシアトルをへて、ポートランドに至る全長563kmの「カスケディア高速鉄道」
- ワシントンDC―ニューヨーク―ボストンを結ぶ北東回廊の線路を改修し、新型の高速列車を導入・運用開始した「次世代アセラ」
モールトン議員はブライトラインウエストについて「近い将来に成功を収める可能性が高い」と語る。ランチョクカモンガはロサンゼルスから70km離れているが、通勤鉄道「メトロリンク」で市中心部と結ばれているため、交通アクセスはよい。
2031年開業目指す「ブライトラインウエスト」
以前は中国系企業が出資する「デザートエクスプレス」という計画だったが、その後、フロリダ州の鉄道会社ブライトラインが経営を引き継ぎ、「ブライトラインウエスト」という計画で動き出した。
「ブライトラインウエストによってアメリカ国民が初めて本物の高速鉄道を体験すれば、それが大きな転換点(ティッピングポイント)になるのではないか」として、モールトン議員はこれを契機としてほかの高速鉄道計画に追い風となることを期待する。
アレクシー副局長もブライトラインウエストを高く評価する。「官民連携(PPP)の優れた実例であり、民間資金を活用しつつ、州政府や連邦政府と連携しながら公的資金による支援策を構築して進められている」。鉄道プロジェクトにおいて用地買収は最大の難関の1つだが、ブライトラインウエストは道路の中央分離帯や沿道スペースを線路に活用し、用地買収が不要になった。2028年のロサンゼルス五輪に合わせた開業が目標だったが、建設の遅れから現在は2031年の開業を目指す。シーメンスが車両開発を担当する。

