なお、高速車両および信号・管理システムについて、もし日立が選ばれれば新幹線方式が採用されると考えるのは早計だ。高速鉄道庁は高速鉄道計画における信号システムをETCS(欧州信号システム)レベル2を採用する方向で検討を進めている。
だとすると、新幹線が採用しているATC(自動列車制御装置)方式は対象外になる可能性が高い。日立は欧州でETCS対応の高速車両を多数製造しているので、もし日立が選ばれればETCSに基づく車両を造ることになる。とはいえ、新幹線でないにせよ日本のメーカーが造る車両である。日系メーカーによる高速鉄道車両がオーストラリアの大地を走る日ははたしてやって来るか。
アメリカ「前向きに進展」3つのプロジェクト
アメリカの高速鉄道プロジェクトについては、2つのセッションで米民主党のセス・モールトン連邦下院議員(マサチューセッツ州選出)と米連邦鉄道局のカール・アレクシー副局長がそれぞれ説明を行った。モールトン議員は政界進出前に、新幹線方式を採用するテキサス州の高速鉄道計画を主導するテキサス・セントラル・レイルウェイ社のマネージングディレクターを務めていた。現在も連邦議会における鉄道政策の推進派として知られている。
オバマ政権時代にアメリカ全土で多数の高速鉄道プロジェクトが持ち上がったが、建設費用を調達できずに中断となっているものも少なくない。テキサス州の高速鉄道もその1つだ。全米最大の高速鉄道プロジェクトであるカリフォルニア高速鉄道もコスト増により建設が進まず、「厄介者扱いされている」とモールトン議員は話す。

