ベストな結果を残すには、イベント会場の把握も大切だ。当日は会場マップで客の動線をチェックし、周辺のブースへは「すみません!今日しゃべらせてもらいます~!」と挨拶回りも欠かさない。
「ブースに人を集めることになるので、必ずひと声かけるようにしていますね。一通りしゃべったあとは、『興味がある方はブースの中へ! うちの会社とはちょっと違うな~と思った方はあちらへ~!』と周辺に送客もするんですよ。展示会なのでライバル会社が並ぶこともあるんですが、私は仲良くやっていきたいんです(笑)」
1日の中で実演を繰り返しながら、客のリアクションを見て台本もどんどん変えていくという。客から質問を受ければその内容を台本に反映し、足りない数値や根拠があればクライアントに聞く。生の反応をキャッチしながら、実演をブラッシュアップしていく。
目線と手は「スポットライト」
このライブ感の原点にあるのは、やはり店頭での実演販売だという。
「実演販売士になったのは2013年。当初はイベントでの実演が中心でした。代理店と一緒に動くイベント実演に対し、店頭での実演は品出しや設営などもすべて1人で行うので、当時は『店頭で実演できてこそ一人前』みたいな風潮もあったんです。徐々に経験を重ねて、京都の東急ハンズで980円の洗剤を40万円以上売り上げたときは、『泥臭い平場でもやれる奴だ』と、ようやく先輩方に認めてもらえましたね」
店頭では、1人が商品を買うと「自分も買わないと!」という熱が客のあいだに伝播していく。ただ、冷やかしの客がいると、「買いたくなる空気」を作るのは難しくなる。
「とにかく観察ですね。お客様の買い物カゴに何が入っているか、さっきまでどの棚の前に立っていたかまで、しっかり目に焼き付けます。慣れてくると、まるでサーモグラフィーを見るみたいに、『この人は興味があるな』『この人は空気を壊しそうだな』とわかるようになるので、お客様を振り分けながら空気を作っていくわけです」


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