有料会員登録
ビジネス #「財新」中国Biz&Tech

申告すべきか見送るべきか? 当局のオフショア信託所得課税に悩む中国の富豪たち…申告猶予期間中の対応が分かれる

6分で読める
北京の国家税務総局。富裕層の節税手段と目されてきたオフショア信託にメスを入れた(同局ウェブサイトより)

INDEX

中国の税務当局が導入したオフショア信託からの所得に対する課税を巡って、同国内の富裕層の対応が分かれている。

当局が設定した90日間の申告猶予期間が10月22日に終了したが、財新の調査によれば、期限終了に伴い、一部の富裕層は駆け込みで申告納税を済ませた一方で、課税対象の範囲や税額、過去の収益に対する遡及課税などが不透明なため、とりあえず申告を見送った人々もいる。ただし見送った場合は、今後、未納税額を申告する場合には、延滞金を追加徴収されるリスクもあり、悩ましい判断を迫られた。

資産管理や承継のために海外に設けた信託口座内の資産から発生する個人の所得に対して課税するとの新方針は7月24日、中国財政省と国家税務総局による「オフショア信託に関する個人所得税の取り扱いについての公告」の中で発表された。

これにより信託期間中に発生する配当や値上がり益などの収益について、税率20%の個人所得税を適用することが明確となった。当局は2023〜25年に海外資産から得た利益に適用するとの方針を示す一方で90日間、すなわち10月22日までの期間は申告手続きの準備のための猶予期間とした。

捕捉されやすい海外上場企業オーナー

中国の安理法律事務所で税務担当のパートナーを務める葉永青氏は10月22日、財新の取材に対し、自身のチームが担当する顧客は全て申告納税を完了したと述べた。

北京洪範法律事務所の弁護士で高級顧問を務める楊祥氏によれば、実質的に超富裕層と言われる人々は一般的に、税務当局の徴税や管理に対しては協力する傾向が強いという。こうした企業家は、オフショア信託を通じて海外の上場企業の株式を保有しているケースが多い。株式の保有状況は、上場目論見書や持ち株比率の変動届け出、株式売却に関する公告などにより、市場で開示されている。さらに、個人資産に関する情報も市場で広く注目されているため、税務当局から信託資産の中身を捕捉されやすい。

2/3 PAGES
3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数