ある税務弁護士が匿名を条件に財新に語ったところによると、今回のオフショア信託に関する個人所得税の追徴対象期間は5年、あるいはそれ以上に及ぶ可能性があるという。同氏の顧客の中には、追徴税額が数十億元に達するケースもあり、資金を捻出するために株式などの資産を売却せざるを得ない状況にあるという。香港のプライベートバンキング関係者も最近、多くの顧客が現金を引き出しており、その資金はオフショア信託に関連する税金の支払いに充てられることを明かした。
ブルームバーグの報道によると、「ブルームバーグ・ビリオネア指数」および上場企業の規制開示書類に基づく集計では、世界の富豪トップ500人のうち、8人の中国人起業家(およびその家族)が、オフショア信託を通じて、中国で主要事業を展開する上場企業の株式を保有している。10月16日時点でのこれら株式の時価総額は、合計約1402億ドル(約22兆円)に上る。
人気火鍋チェーンの株式550億円相当を売却
その内訳として、大手インターネット企業、網易(ネットイース)創業者の丁磊氏が約370億ドル相当、格安ネット通販、拼多多(ピンドゥオドゥオ)創業者の黄崢氏が約290億ドル相当の株式を保有している。ネットイースに近い関係者によると、同社の経営陣はすでに納税問題を解決済みだという。
最近では一部の上場企業で大株主が保有株を売却しており、株価の上値を抑える要因となっているが、市場関係者の間では売却は納税資金を確保するためのものと推測されている。9月8日には、人気火鍋チェーン「海底撈(ハイディラオ)」の主要株主の一つ、「SP NP Ltd.」が、ブロックトレード(大口取引)を通じて2億5900万株を売却し、約27億5100万香港ドル(約550億円)を現金化した。この「SP NP Ltd.」は海底撈の創業者である張勇氏の妻、舒萍氏が設定した家族信託の名義上の受託者だ。
また、学生向けローン事業から成長し、アメリカ市場に上場しているフィンテック企業、趣店(チューディエン)は、中国国内の傘下企業2社を巡る過去の株式再編に関連し、創業者の羅敏氏が7億9000万元の個人所得税を追加納付する必要があることを公表した。この追加納税額7億9000万元に加え、関連する延滞金、罰金、その他の税金・費用はすべて同社が負担するという。
(財新記者:文思敏,王小青)
※中国語原文の配信は10月22日


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