産地を知ることは、企業の調達方針を理解することにもつながる。企業にとっても、調達先や品質管理の仕組みを説明することは、ブランドへの信頼を築くうえで重要になる。海外産食材を使っているかどうかだけで企業を評価するのではなく、どのような基準で食材を選び、どのように品質を管理しているのかという視点が重要だ。
「日本で獲れた魚を日本で食べる」時代ではない
そして、日本の水産業を取り巻く環境についても考える必要がある。日本は豊かな漁場に恵まれ、マグロをはじめとする多様な魚介類を食べてきた。しかし今、漁業の担い手不足や高齢化、気候変動による漁獲状況の変化など、国内の水産業はさまざまな課題に直面している。
海外で日本食の人気が高まるなかで水産物の買い付け競争も激しくなり、日本で獲れた魚が海外へ輸出される一方、国内の外食チェーンは海外から食材を調達する。「日本で獲れた魚を日本で食べる」という構図は変化しているのだ。
そのため、回転寿司チェーンでは新たな取り組みが始まっている。スシローを運営する「FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)」は2026年10月、「協立」と合弁で「FOOD & LIFE KYORITSU MARINE」を設立。地元の養殖事業者と連携し、駿河湾で育てたブリを「富士山はまち」として販売を開始した。
また、くら寿司も2021年に水産会社「KURAおさかなファーム」を設立し、産地直送の天然魚プロジェクトや、漁業者との直接取引などを進めている。市場からの仕入れだけでは量、価格、品質の安定が難しいという問題意識が背景にある。


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