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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

「腫瘍は残り、脳幹が削られていた…」歴20年以上の40代医師がなぜ? 京大病院の事故に見る、医療という仕事の"2面性"

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京都大学医学部附属病院 京大病院
医療事故があった京都大学医学部附属病院(写真:東京スポーツ/アフロ)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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この手術では、2回ゲフリールを行った。そして2回とも、病理診断は「正常の脳組織です」というものだった。こんなことがあるのか?

記者会見で脳神経外科の診療科長は、脳腫瘍の手術で腫瘍と思ってゲフリールに出して「正常の脳です」と言われることは「よくある」と答えていた。うーん、じゃあ、なんでゲフリールをやったのかがよくわからない。なんで「よくある」かというと、腫瘍を取るときに、端っこの正常脳組織も一緒に取れてしまうことがあるためらしい。

執刀医は病理診断よりも自分の目を信じた

いずれにしても、執刀医は「正常組織です」と言われても、それは腫瘍のはじっこの組織と考えたようだ。病理診断よりも、自分の目を信じて腫瘍と思われる部分をどんどん摘出していった。

脳神経外科の手術というのは顕微鏡を使って行う。ミクロの術野がよく見えるが全体像を把握しにくいという欠点もある。腫瘍全体を俯瞰できなかったのかもしれない。また髄膜腫から出血が続いていれば、十分な術野が得られなかったことも考えられる。

CPアングル腫瘍ではいかに脳幹を傷つけないかが重要と前述したが、脳幹を傷つける手術だけをやってしまったのである。

手術後、患者さんは意識はあるが手足は動かず、自発呼吸がないために人工呼吸器を装着している。なぜ意識があるとわかるかというと、医師たちの問いかけに目を閉じたり開いたりして反応するからだという。

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