もちろん「過激なシーンが含まれます」といった注意喚起のテロップを入れる方法もある。実際、「VIVANT」の最近の放送でも、そうしたテロップが使われている。
制作サイドからすれば、注意喚起のテロップは「これから迫力あるドラマが始まる」という期待感を高める演出にもなりうる。むしろ積極的に使いたいと考える制作者もいるだろう。
しかし、営業サイドからすれば、事情が異なる。スポンサーから「そもそも注意喚起テロップが必要になるような演出は避けてほしい」と求められる可能性があるからだ。
ところが、視点を変えると話はまったく違ってくる。
「VIVANT」を、世界の配信市場でヒットを狙う、制作費をかけた本格ドラマとして見た場合だ。
正直に言えば、私には「VIVANT」の銃撃シーンも拷問シーンも、物足りなく映る。
たとえば、世界的な配信プラットフォームで公開されている韓国のノワールドラマなどと比べると、暴力描写のリアリティや迫力に差を感じる。
言葉を選ばずに言えば、「ショボい」「安い」とさえ感じてしまう場面があるのだ。
国内で大ヒットした「VIVANT」、世界ではどうだったのか
前作の「VIVANT」は国内で大変な話題となり、大ヒットした。
しかし、テレビ業界内では「国内では当たったけど、世界ではイマイチだったよね」という声も聞かれた。
「やっぱり日本のドラマは世界ではダメなのかな」といった自虐的な意見を耳にすることもあった。そうした事情もあってか、続編の放送にあたり、TBSは異例ともいえる規模でPRに力を入れている。
制作にも相当な費用をかけているとみられ、今度こそ世界の配信市場でも大ヒットさせたいという意気込みがひしひしと伝わってくる。
では、前作が海外でイマイチだったとすれば、その理由は何だったのだろうか。
私は、その一つに、韓国ドラマなどと比較した際の「迫力不足」「リアリティ不足」があったのではないかと考えている。

