もちろん、海外での評価は暴力描写だけで決まるものではない。それでも世界市場を意識するほど、アクションシーンなどの表現をより迫力あるものにしたいと考えるのは自然なことだろう。
今回の続編で過激な演出が増えた背景にも、そうした狙いがあったのではないか。もしそうだとすれば、世界を意識して表現を強めた結果、今度は地上波の視聴者から「子どもに見せられない」と批判される。
なんとも皮肉な構図である。
地上波と配信の「二兎を追う」のは無理ゲーなのか
そもそも私は、「地上波のゴールデンでヒットさせたドラマを、そのまま世界の配信市場でも大ヒットさせる」という発想自体に、無理があるのではないかと思っている。
まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」というやつだ。
世界の配信市場では「過激な演出で視聴者をドキドキ・ハラハラさせること」がヒットの重要な要素になる。一方、地上波では、「子どもを含め、お茶の間の誰もが安心して見られること」が大事だ。
この二つを一つの作品で両立させるのは相当難しい。いわば「無理ゲー」なのだ。
そもそも地上波と配信では、メディアとしての性質がまったく違う。演出方法も、コンテンツの長さも、PRの手法も、それぞれ適したやり方がある。まして、アクションシーンの多い作品であれば、なおさらだ。
もちろん、地上波と配信の両方で成功する作品が生まれる可能性を否定するつもりはない。しかし、二兎を追うならば、最初から別々のバージョンを制作するという選択肢もあるはずだ。
TBSは優秀なテレビ制作者の集団である。地上波と配信の違いについても、百も承知のはずだ。
それなのに、なぜ日本のテレビ局は、地上波向けに作ったドラマを、そのまま配信にも展開するという方法を繰り返すのだろうか。
地上波では「過激すぎる」と言われ、世界の配信市場では「物足りない」と感じられる──。
このジレンマを解消しない限り、日本のテレビドラマが世界で勝負する難しさは、これからも続くのではないだろうか。

