かつて、家庭でテレビを見る場所は「お茶の間」と呼ばれた。しかし、生活スタイルが多様化し、一人ひとりが好きな時間に好きな番組を見るようになった今、家族全員がテレビの前にそろう機会は少なくなった。
それでも、週末の夜は家族でテレビを見る機会が比較的多い時間帯だろう。
だからこそ、日曜午後9時という放送枠では、子どもが見ていることを前提に番組を制作するという意識が、テレビ業界では常識となっている。
そこに、拷問や死体、切断された身体の一部などが映し出されるドラマを放送するのは、やはり「難しい」としか言いようがない。
医療ドラマですら、子どもが見るような時間帯では血を直接映さなかったり、血の色を調整したりすることがある。これも地上波ならではの「配慮」だ。
そう考えれば、今回寄せられた視聴者の意見も、BPOの委員の指摘も、もっともだと思う。
見逃し配信の時代でも、放送時間帯への配慮は必要
一方で、「そもそも時間帯に配慮して番組を制作する意味があるのか」と疑問を持つ人もいるだろう。
今やリアルタイムでテレビを見る人ばかりではない。TVerなどの見逃し配信を利用し、好きな時間に番組を楽しむ人も増えている。
しかし、それでも地上波のテレビ局には、放送時間帯に視聴する可能性のある人たちへの配慮が求められる。
テレビ放送は免許事業であり、公共性を持つメディアだからだ。
スポンサーにとっても、どの時間帯に放送される番組かは重要だ。子どもが見る可能性の高い時間帯であれば、その内容にも一定の配慮が求められる。

