※本記事は2026年10月30日12:30以降は有料会員限定となります。
国際通貨基金(IMF)が2026年10月に公表した世界経済見通し(WEO)は、世界の成長率を26年3.1%、27年3.4%と予測した。中東情勢や通商政策の不透明感が続くなかでも、世界経済は底堅さを保つとの見通しである。
その支えの1つが、AIをめぐる投資の拡大だ。データセンターや半導体への需要が、投資を行う国から関連機器を供給する国へと波及している。
一方、世界経済見通しは世界の成長の95%を32の国・地域が占めると指摘する。4月の世界経済見通しの54から減少しており、成長を担う国の集中が強まっている。AI関連の投資や輸出が好調な国と、エネルギー高の負担が重い国とでは、景気の底堅さにも差が生じている。
AI景気の3つの経路「国内投資、輸出、資産価格」
IMFのゲオルギエワ専務理事は10月の記者会見で、AIブームが世界経済を支えていることを認めつつ、1つの成長要因に頼る状態を「一本足で立つ」姿に例えた。片山さつき財務相も、世界経済は「非常に底堅いが、AI一本足になっている」と発言している。
日本も、AIブームの恩恵を受ける国の1つである。半導体製造装置などの輸出や国内の設備投資に需要が及び、関連企業の成長期待は株式市場にも反映されている。エネルギー輸入国である日本にとって、中東情勢の悪化は逆風だが、国内外のAI関連需要の拡大が景気を下支えしている。
IMFの議論を踏まえると、AIブームが景気を支える経路は、国内投資、輸出、資産価格の3つに整理できる。
第1は国内投資である。データセンターの建設や、サーバー、半導体、電力設備への投資が、設備や建設サービスへの需要を生む。AIの普及による生産性向上に先立ち、設備を整える支出そのものが景気を支える。
第2は輸出である。AI関連の設備や部品を海外から調達すると、投資を行う国の需要が供給国の生産や企業収益に波及する。日本の半導体製造装置などは、この経路を通じて海外のAI投資拡大を取り込んでいる。
第3は資産価格である。AI関連企業の収益拡大への期待が株価を押し上げれば、株式を保有する家計の資産価値が増え、消費を後押しする。
日本の「AI一本足経済度」
では、日本の「AI一本足経済度」は、各国と比べてどのように位置づけられるのか。
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